※蝉が光を知る前からの、タイムカプセル的発掘の報告をしたいのさ。
0513
詩人のうたを聞いてたら
白いうさぎが茶色に染まって、
あぁ、これが見つけられなかった春なんですねと思った。
カップラーメンの伸びた麺が
おまえには生活力なんてないんです、
あーその面引っ叩いていいですか。
私には詩情なんてなかったから、
神が紙上に生んでくれると思って、
思案している鉛筆でキーボードを叩いている。
月が秋のものだなんて信じたくない。
そう言ったらうたうたいに睨まれそうな気がする。
でも私は、高い天が降りてきて
手の届きそうな月は春の花と共に生きるべきだと
わかったいるのです。
君の星座は、君の季節に見えないよ。
おとめが嘲笑して、
そこいらの肉を食べている、
――いるいる! ビーフ、おあ、シープ?
魚は生臭くて、とてもね。
模倣犯は詩を書こうとするから、
何も壊せずに
チープで工場から出荷可能な
セーヒンだとかにしてしまう。
0526
――それでは詩でないものが詩であるって?
可愛らしいロゴと向き合うと左側に取っ手があって、
珈琲はいつも右手側で冷え切っている。右利きだものね。
夏の気配がするのに、
室温26℃の家の中は半袖の凍えてしまう。
クーラーを棄てても、凍えてしまう――
不思議な感覚の詩だった。
それを手書きで写すことは、
とても重要なことだと思う。紙。
天地が逆さの方がこの絵には似合うけれど、
私はもう絵を描けない。私の絵は、
私の手が描き出したものなのに、私の友人を殺していく。
ジンクス。帰納的な。
それで感情を
殺そうと何度目に思ったのか知れないけれど、
抵抗は激しいから、
沈殿した滓が舞い上がりたそうな視線を寄越す。
残り香がして、また泣きそうになった。
0602
なにも、みえない、わたしの中に居た生命の眼の部分は、海の底へ沈んでしまったみたいなのです。それは、ふとすれば浮かび上がり動き回るのかも知れませんが、何処へ行ってしまったのか、とんと見当がつきません。
これが、ハイという臓腑を支払うに至った経緯なのでしょうか。白い手の挙げた、ハイ。
いつから中身が腐ってしまったのかというと、掘り返す記憶も無く、土色の……セピア? とにかくわたしは間違いを守っているのではなく、守っているのではなく、壊せないものに手を焼いているだけだと思いたいのでした。
0606
常夜灯が、思いの外白くて、明るい。足先が冷たく冷えるのは、出窓を開けて腰掛けているからだろう。家の中に灯は無く、昼間のような廊下の不自然な静けさを舐める。大切にしているカップなのに、珈琲がこびりつくまま、すぐに洗えないでいる。疲れている、そう云うのは簡単だけれど、私はセンチになっただけだ。そんな音楽を、日付が変わる頃に聴いたから。
0612
視線には音が凝縮されている。
開け放つ窓、煙草のにおいの幻。
自分の描いた詩を超えられない。
聴き慣れぬ鳥の声、しきりに。
作品データ
コメント数 : 1
P V 数 : 1051.7
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-09-03
コメント日時 2020-09-03
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:1051.7
2024/11/21 22時41分20秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
あぁ、確認画面と一行当たりの字数が違うとは!
0