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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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未だかつてこれほどまでに私の心をえぐったものはいなかった。 そのひとは私の心層がわかりすぎていたのか。 或いは私たちはまるで波紋が水面に吸い付くように 初めから心がぴったりと似通っていいたのか。 兎にも角にもこれほどまでの相手はいないと思えるほど 人間的にそっくりだったのである。 あくる朝、二人してお互いの体をぺたぺた触りながら ぼんやりした頭でこう考えたのを覚えている。 「私はいつか死ぬ。」 そして今まで特に感じることの必要性がなかった 「決断力」という重要な人間的要素に 欠けている己を波が山を押し流すような勢いで 唐突に自戒したのである。 それはあの人にも同じことで でも二人して行くあても帰るあても見つからない。 それこそ流木みたいで流れるままの旅をしようとやはりぼんやりと あの人を抱きしめながらつぶやく私。 彼は、あの人は、いいねとだけ返して寝返りを打った。 その時私はどうしようもなく悲しくて めそめそしたふりをして心に煮えくり返る焦燥感と 虚無感に一人で立ち向かうことを決心したのである。 月日は流れ、あの人はもう帰らなくなった。 私も帰る場所はいつも同じになって 冷たい朝のしずくを目にためながら どうしても自分を捨てた自分が悔やまれて ひとり、のどかな朝日が昇るのを振り返っては また、めそめそと明後日の方向に歩き出した。


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作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 913.3
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-08-27
コメント日時 2020-08-27
#現代詩
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
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閲覧指数:913.3
2025/04/13 16時28分36秒現在
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