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飛行
誰にも内緒で 電車に乗ります たったひとりであること まるで中学生のように 胸を ドキドキ させて 家族にはきちんと 許しをもらっています けれど押し寄せる純白の入道雲 Aラインのワンピースはあまりにも思わせぶりで パンタグラフが火花を散らすたび 背すじがピンと伸びるのでした 嘘は吐いてないけれど 口許を隠してしまえば 淑やかに 舌を出すことも出来る 改札を出れば 今日の切符は残らない 西武池袋線から埼京線に乗り換えて 下り 風の無いなか 滑らかに走り出す 車窓いっぱいの夏雲 どっしりと いま 流れてゆくのは わたしのほう
飛行 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1823.4
お気に入り数: 3
投票数 : 0
ポイント数 : 8
作成日時 2020-08-17
コメント日時 2020-09-26
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 2 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 8 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.3 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.3 | 0 |
音韻 | 0.7 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2.7 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「詩」の模範のようだと思わせながら、実はちょっとそこを超えている、と感じました。 >今日の切符は残らない と述べることで、何かが残るような気配を醸し出している。 最終連こそ一番良いところ。 固有名詞が今までの模範的な感じを破って気持ちいい。 埼京線の「下り」だから、たぶん埼玉のあの田園の方へ進むのでしょう。 短歌のような終わり方がまた良いですね。 すみません、時間がないのでここまでにします。
1早速のコメントありがとうございます! 切符は残らないけど、他のものは残りますよね。 最終連を一番良いと言っていただけて嬉しいです! また、具体的な路線名などを出すのは私にとってもチャレンジでした。知ってる人にはよりリアルに、知らない人にも何となく伝わる感じを目指しました。
1どこか、新しい土地や、 なにかを待ち焦がれていた想いを 今、列車に揺られながら感じとられているような印象を受けました。 誰にも内緒で 電車に乗ります たったひとりであること まるで中学生のように 胸を ドキドキ させて 嘘は吐(つ)いてないけれど 口許を隠してしまえば 改札を出れば 今日の切符は残らない 新しい、何か風のようなものが 心のなかに流れているのでしょうか? 最終行の いま 流れてゆくのは わたしのほう という文章がとても素敵です。 その先に続いていく物語、旅、等を連想します。 列車に揺られ流れていく情景と共に 心のなかの、爽やかな気持ちも 風のように運ばれていくような.. とても素敵な詩だと思います。
1ryinxさん コメントありがとうございます! 普段は自転車移動のみで、先日かなり久しぶりに電車に乗りました。色々な懸念もありますが、上手く付き合って楽しい過ごし方が出来ると良いなぁと思っています。
1>Aラインのワンピースはあまりにも思わせぶりで ここのところが特に好きです。何色のワンピースだったんだろう? いったいどこに行くのかなとか空の雲のように自分も流される。そんな描写も素敵だと思いました。
1暁美玲さん コメントありがとうございます! Aラインのワンピースは可愛くて好きなのですが、あまり似合わないのと普段は自転車移動のため着なくなってしまいました。夏に綺麗な色のワンピースをサラッと着こなす大人って素敵だなぁという憧れがあります(*ˊ˘ˋ*)
0>車窓いっぱいの夏雲 どっしりと >いま 流れてゆくのは わたしのほう がいいですね。通常なら軽く見えそうな雲と「わたし」の質量感覚が逆転して、電車が発車するという動きが生き生きして見えます。夏が来るたびに読み返したくなる詩だなと思いました。
0nさん ありがとうございます!生き生きして見えた、というコメントとても嬉しいです。自由で楽しい夏がまた過ごせるようになるといいですね!
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