少女像―こどもの頃 - B-REVIEW
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少女像―こどもの頃    

――一国家の領空よりも   私たちそれぞれの抱く   青空ははてしなくひろい――、 私は、壊れきった信管のなかに 湿気た爆薬をつめている 一粒の反乱だった 奇麗な人だと ある詩を 読みながら 思った 想像の重さはその孤独とひとしいと 言ったのはだれだったか おぼえて わすれてしまったけれど 青空は孤独でしょう こどもの頃の青空に はてがないのと同じように 青空の底に 小さな額を寄せて 一個か 二個 実をつけている莟が 柔々と風に擡げていて 実に生ることと しおれて枯れてゆくこととの 同じわたし達が 抱える青空のひろさが別かれてしまったのは 私たちが 私を知らなかった頃には 決して かえれない こどもではなくなってしまったから 明かりのもと泣いていた 金輪際 すべての嘘をならべたてては 全人類に向けた 爆弾を まるで薄めたメロン・アイスクリーム・ソーダのように 水に流して なんか やらない 本を開くと 現実から逃れられるから 逃れたいほどの現実ももっていない癖して 逃れたいほどの現実ももっていない癖して だから本は 比喩に暮れてゆくものには ちょうどよろしい 毒も薬も 背骨にしてはならない ひどく酔って 帰ってゆく 多くのひとをみた ひどく醒めて 笑って見る 多くのひとをみた みんなきりとられた青空だった ひとをうしなった青空だった だからわたしは 自由にむかって爆弾をなげるのだ おろしたての青空のために


少女像―こどもの頃 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 1137.7
お気に入り数: 2
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-08-07
コメント日時 2020-08-07
#現代詩 #ビーレビ杯不参加
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:1137.7
2025/04/09 20時39分04秒現在
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    作品に書かれた推薦文

少女像―こどもの頃 コメントセクション

コメント数(2)
かずや
かずや
作品へ
(2020-08-07)

流れるようでいてせき止め、そして逆らい、よどませてみる。詩への想いを書いたものでしょうか。非常にいいなと思い読ませていただきました。「莟」や「擡げ」など難しい漢字を使われているのもあえてそうした言葉の流れを止めるあるいは考えさせる意図があってのことでしょうか。

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鷹枕可
かずやさんへ
(2020-08-07)

かずやさんへ。 褒めてくださってありがとうございます。 多分、詩という表現は、行間のみ ではなくて、一行の詩文のつながりのなかにも、折りたたまれた余白が隠されており、 それがほんとうの意味での、詩的な言い表しになるのかも知れない、と思い、いたりました。

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