死ね - B-REVIEW
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ことば

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死ね    

きらきら! 布団にくるまってOPきいてた。いきてた? にせんじゅうなんねん、へーせー、なんねん? なんでやねん! ガハハじゃねんじゃ、ひとりだった、ひとりだった、まぶしかった、「ひかりちゃん」。南向きの部屋、畳から、カビの臭いが立つ。タニシしかいない水槽に正しい姿でわたしいた、たぶん、おったとおもう。「窓際に置くなよ」「死ね」「おまえが死ねカス」「ブス」「死ね」。言う? ゆう。言われる? ゆわれる。自分で? 自分で。自分に? 自分に! 途切れる。天下一品の床みたいな髪、撫でて、撫でて、撫でて 指のにおい嗅いで、嗅いでくれよ、「死ねブス」。 「お前が死ねばよかった」「生まれてきたくなかった」「なら死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」の声 声が ベランダのない部屋でランハンシャしながらあいまいになる、南向きのまばゆさに混じる、いちばんたいせつな本が水槽に沈められたとき しゅんかんみずしぶき ひとつぶひとつぶ の 隙間に交差するほこり 逆光とか ひとりでぜんぶやった。「ひかりがやった」。そういうことになった。


死ね ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 1
P V 数 : 1667.4
お気に入り数: 2
投票数   : 0
ポイント数 : 51

作成日時 2020-07-30
コメント日時 2020-07-31
#現代詩
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性55
前衛性1111
可読性55
エンタメ55
技巧99
音韻1010
構成66
総合ポイント5151
 平均値  中央値 
叙情性55
前衛性1111
可読性55
 エンタメ55
技巧99
音韻1010
構成66
総合5151
閲覧指数:1667.4
2025/04/09 19時05分31秒現在
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    作品に書かれた推薦文

死ね コメントセクション

コメント数(1)
パワフルぽっぽ
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(2020-07-31)

完備さん、こんにちは。 めちゃくちゃかっこいいですね。 >きらきら! >ひとりだった、ひとりだった、まぶしかった、「ひかりちゃん」。 >逆光とか ひとりでぜんぶやった。「ひかりがやった」。そういうことになった。 ぼくはこのあたりの、非常にリズミカルな部分が特に好きでした。 >「死ね」の声 声が ベランダのない部屋でランハンシャしながらあいまいになる、 ちょっと細かいところになるのですが、このスペースの使い方も良いなと思いました。 ここは「、」ではなく「 」のほうが作品に無音が生まれて メリハリがついてとても効果的だと思う。 ぼくは以前から「死ね」や「殺す」を上手く作品に使いたいなと思いつつ この多くの人に使われてペラペラになった「死ね」をまったく上手く 活かすことができなかったんですよね。 それがこの作品では「死ね」がきちんと生き返って立ち上がっている。 それはたぶん、言葉の拾い方のセンスが抜群にうまいからだと思う。 完備さんの作品を読んでいると、カニエウエストやフランク・オーシャンを思い出す。 彼らの音楽は鳴らされている音自体も、鳴るタイミングもすべてがかっこいい。 「共感」なんかよりも「感覚」こそがすべてだ、 という点において、カニエウエストと完備さんは似ているように思う。 (決して、カニエの人間性うんぬんという話ではありません) ぼくはいつも完備さんの作品を読むと、 こういう才能が欲しかったんだよなあ、ぼくには無かったなあ という絶望的な気持ちになります。

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