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つぎつぎに潤う
未明の激しい雨音で眠れぬ 山中に住む緑の髪の少女が まぶたを閉じたとき 耳のちかくまで ミミカキグサがやってきて 少女の世界の悪い噂を 食べてしまうと 少女は 安心して みずみずしい緑の体を 風の中に なげだす もうせんもんせんと 赤い髪の少女の場合は 赤は病の色だと うずくまっていると モウセンゴケも 透明な粘液のまま 少女といっしよにうずくまり 内側から光るのを 待っている やがて おびただしい光の水に浮き動かれて レッドロビンとして のびのびと誇らしそうに赤い葉をしげらす 窓烏を 不吉な物語をいくつか重ね合わせて真っ黒をしていると 烏がアホ―と 言ってくる
つぎつぎに潤う ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2269.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 15
作成日時 2020-07-30
コメント日時 2020-08-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 5 | 5 |
技巧 | 2 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 15 | 12 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1.7 | 2 |
エンタメ | 1.7 | 0 |
技巧 | 0.7 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 5 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ゴメンナサイ。誤操作デス。
0優しさで溢れた絵本のようです。 ミミカキグサもレッドロビンも植物なんですね。レッドロビンは街でよく見かけます。名前をはじめて知りました。 私はとくに一連目が好きで、台風や嵐の夜を怖がって眠れない幼児が居たら、添い寝しながらこのお話をしてあげたいなぁなんて思いました。(我が家に幼児はおりませんが……。) さいごの「窓烏」は「窓硝子」の言葉遊びでしょうか。烏のからだが黒いのを不吉な物語を重ね合わせたからだとする発想もなるほど面白いですし、「アホー」とあっさり一蹴してしまう程よい脱力感が、最後まで優しい雰囲気を保っていてよかったです。もし、どんでん返しみたいな暗い終わり方だったらきっと私はがっかりしたと思います。 全力な前向きではない、まだちょっと体が湿っているけど前を向こうとするような。優しい気持ちにさせていただきました。すてきな作品をありがとうございます。
0最終行が印象的でした。多分アホウドリの事ではないと思いますが、アホウドリと言えば、ボードレールの詩のタイトルにもあり、その事が念頭にあったのだろうかと思いました。
0「優しさで溢れた絵本のようです。」 絵本のようだというお言葉は、私にとって 最高の賛辞です。 ずっといぜんから 絵本の書ける人でありたいとおもいつづけていたことが この詩に 現われているとしたら、こんな嬉しいことはないです。 ミミカキグサもレッドロビンも植物なんですよ。 幼児に聞かせるつもりではなかったのですが、もっと 幼児に 聞かせるつもりで 描きたくなりました。 さいごの「窓烏」は「窓硝子」の言葉遊びです。こてこてで どこかで聞いたことのあるような遊びです。 「アホー」のことも好意的に読んでいただいて 小躍りしてしまいそうでした。 全力な前向きになれなかったんです。まだちょっとね。そうね体が湿っている感じでした。けど前を向こう。……みたいな感じでしたね。たしかに! この詩のあと「バカー」っていうのがでてくる詩のようなものが うかんだのですが、 なにが詩で なにが詩であるかが、さっぱり分からなくなったので しばらく黙ってました。 でも、寄り添っていただけたので 元気になってまいりました。おかげ様です。 ほんとうに ありがとうございました。
1ボードレールの詩のことは、まったく念頭にありませんでした。 ボードレールさんはフランス人なので、その鳥のことを日本語ではアホ―という語感で呼んでいることは、ボードレールさんは たぶん ご存知ないような気がします。でも、ここでは「アホ」であるが大切でした。(汗) ボードレールの詩が読んでみたくなりました。コメント ありがとうございます。
0好きな雰囲気でありました。なんだか、みにくいアヒルの子の話を思い出しました。自分の色に悩むものたちに声援を贈る詩といったような風に読みまして、元気をもらえる作品でありました。
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