愛―知、非―知 - B-REVIEW
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ことば

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愛―知、非―知    

知の世界の外へ行きたいのです 洒落たジャケットを脱いで 靴も、靴下も パンツまで脱いで 裸の身体で、知を愛したいのです ここで重要なのは、私はまず洒落たジャケットを着こんでいたということです 裸のままではなかったのです 私は着ていた物を、脱いだ それが重要なのですエロティシズムには 脱ぐことで至れる場所があります 不在を欲望することはできません ただ、欠けたものを補うことによって 渇いたから、飲むことによって 洞窟の中にある原始 暗闇に光の幻視 世界を構成する原子 そのただなかにあって 私は至りたいのです高みに ただ高く、ここにないものを求めて 伸ばした手は空を切るのです そこには何もないので 絶対的な存在はその不在によって 汚濁から逃れ去ることになります 眠り姫のベッドに埃は山積していませんでした 百年ものあいだ、放置されていたのだとしても 鏡をみてください 鏡をみないでください ××はどこに ××はどこにも


愛―知、非―知 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 1171.1
お気に入り数: 2
投票数   : 0
ポイント数 : 2

作成日時 2020-07-26
コメント日時 2020-07-28
#現代詩
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性11
エンタメ00
技巧11
音韻00
構成00
総合ポイント22
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性11
 エンタメ00
技巧11
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:1171.1
2025/04/09 18時45分07秒現在
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    作品に書かれた推薦文

愛―知、非―知 コメントセクション

コメント数(3)
ariel
ariel
作品へ
(2020-07-26)

フィロソフィーとエロティシズムが存在と不在で結び付けられている、興味深い詩ですね!答えや真実は未だ存在しないからこそ求めたい。その探究心の感覚、とてもよくわかります。 ただこの解釈だと2、3連目のエロティシズムの下り、特に「不在を欲望することはできません」と矛盾するので、ここの部分は全体の位置づけとしてどういう意味があるのか知りたいと思いました。この作品のメジャーテーマの一つであると思われるのに、読解力不足で解釈できずもどかしいので、意図をご説明頂けると大変嬉しいです。考えさせられる作品をありがとうございました!

1
さんへ
(2020-07-28)

ありがとうございます。僕は裸体そのものよりも「脱ぐ」という行為の方にエロティシズムとフィロソフィアがあると思っていて、着こんでは脱ぎ、着こんでは脱ぎを繰り返していく絶え間ない営みをひとつの愛―知の在り方だと考えています。

0
arielさんへ
(2020-07-28)

コメントありがとうございます。「不在を欲望することができない」というのは欲望は常にその対象が「まだここにはないけれど、いずれ現れる」といういわば「未在」とでもいうべき状態で想定されていることを示したつもりです(たとえば学問体系としての哲学は「答えが存在しない(と思われる)問題」を考えているのではなく、「答えはあるはずなんだけど今はまだ出ていない問題」を考えています)。 一方で一つの考えとして、絶対的な「神」や「真理」はそれが「不在」であることによって定義されることがあります(たとえば神は姿を現さないものとして、プラトンはイデアを直接見ることができないものとして、つまりいずれも不在として存在することがあります)。いわば広義の「否定神学」ですね。しかしこうした我々はこうした素朴な「絶対性」や「純粋性」のフィルターによって存在しているはずのものまで見えなくなっているのではないか、と僕は考えています(眠り姫のベッドに積もった埃のように)。 そこで提案されるのが不在ではなく欠如を埋め合わせるように知を求めていく在り方であり、これが筆者として語ることのできるこの詩のひとつの解釈です。ただこれが全てというわけではなく、もう少し色々と詰め込んでいます。

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投稿作品数: 1