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はるのこと
その海は、悲しみから生まれる。 かつてはむせるほどに豊かな緑の香り漂う草原だった。 眩しいばかりの陽光が降り注ぐそこを、 縦横無尽に精悍な駿馬が草を蹴る。 蹄の跡から黄色の無邪気な花が咲く。 一重のその花は、やがて緑のほとんどを黄色に塗り替えてしまった。 駿馬はその勢いを止めないまま草原から旅立った。 残されたのは一面の黄色と抜けるような青空。 駆け抜けた軌跡に、嘘みたいに眩しい陽光に、熱くなった目を閉じる。 いつか凪いだ海を泳ぐ美しい生き物を思う。
はるのこと ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1093.7
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 5
作成日時 2020-07-21
コメント日時 2020-07-22
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 5 | 5 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 5 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とても好きです。 詩を書くとは、こういうことを言うのだと感じました。 最近、私の胸は、もう書くことなんかないような気持ちに占拠されていて、とても悩んでいます。 話は飛びますが、この作品は私にはセザンヌの絵画の透明な緑色を思い浮かべさせるものでした。さわやかで、詩中に風が吹いています。 たぶん作者さんは何か喪失したものを惜しみ、また、未来への希望も抱えているのでしょう。 それでも鬱屈感はなく、光彩陸離、涼しくて、読む人の心に広々とした感覚をもたらしてくれます。
0初めての投稿にコメントをいただけると思っていなかったのでとても嬉しいです、ありがとうございます。 詩は約10年振りに書きました。心の中をグルグル回る感情は言葉にしてアウトプットするのが1番だ、と思って衝動的に書きました。詩を書くことで気持ちが前に進めるような気がします。 私にとって失ったものはとても綺麗なものだったので、綺麗な気持ちのままが伝わったようで嬉しいです。ありがとうございました。
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