野道 - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

野道    

野を歩めば柔らかく 綿雲の影、まだ青い地肌を撫で 日輪、日輪、 上機嫌に蒸気を噴かす 透明にひびくホイッスル 鳶も鳴く いい日和 そうじゃない あすこの山が口笛を吹いて寄越すのだ 風は息をふきかける 髪がゆれても心地よい (見渡すかぎり誰もいないが寂しくなんかない  口を噤んでいるとしても悲しいものか) 足元に ダンデライオン 鳥がとびこんでいった向こうの笹原に さざ波がたっているのは おれに見えない馬が走っているからだ サラブレッドだ 蒼穹の野原に並びたつ木々から 降る、降る、たわわな金の実 (たあいないひとつひとつを胸の籠いっぱいにして  いたずらに幸せと名付けるのもこの際だからいい) 野を歩めば柔らかく 俯いてしまうのは腹が減っているからだ 馬よ、馬 パンとサラダをもってこい



野道 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 1284.2
お気に入り数: 3
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-07-15
コメント日時 2020-07-26
#ビーレビ杯不参加 #縦書き
項目全期間(2025/04/02現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:1284.2
2025/04/02 17時28分46秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

野道 コメントセクション

コメント数(2)
stereotype2085
作品へ
(2020-07-26)

王道。王道の詩の美しさがある。だがそこにも現代的ともいえる試みがなされている。例えば()のあとに「足元にダンデライオン」といった趣向だ。()の一節は世情を突き放し、強がり、気丈に生きる様を描いているのだがその足元にあるのは大らかで自由なイメージのダンデライオン。この対比が対比の美しさが、この詩をただの古風で王道の詩に留まらせていない。蛇足だが筆者様にツイキャスにてサラブレッドと最後のパン(ブレッド)とサラダは着地点はそこではなかったのだが締めとして閃いたとお聞きした。この遊び心ユーモアのセンス、ある種の融通もこの詩を良いものにしていると思う。

1
藤 一紀
stereotype2085さんへ
(2020-07-26)

こんばんは。ツイキャスで強引に読んでくれだの、なんかコメントしてだの勝手な注文つけたにもかかわらず、面倒くさがらずに読んでいただきコメントまで本当につけてくださって有り難いやら申し訳ないやらでいっぱいです。そのうえお褒めの言葉までいただいてなんと言ってよいやら。でもぼくは星野源ではないけれど褒め言葉は断らない主義ですのでバンバン褒めてください。笑 それは冗談ですが、埋もれていたものを上げてくださって救われた思いです。心より感謝申し上げます。

0

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 2