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ハーメルンの子供たち
君知るや我等ハーメルンの子、故郷離れて遠き空。 ポーランドからルーマニアまで、子孫は遠く散らばるを。 道を示すは笛吹き男、ハーメルンの地を棄てぬ。 語れば古き事乍ら、1260年、我等父親失いぬ。 フルダ僧院我等を売りぬ、ミンデン司教区これを買う。 収まりつかぬは我等が親と、街を育てた エーフェルシュタイン伯、年貢泥棒 許すまじ、ハーメルンの土地守らんと。 かくてぶつかるゼーデミューンデ、相手はミンデン司教軍。 市民軍士は命散りゆく、捕虜は敵地に引立てられて 儚く刑に処されたり。ミンデン司教区、年貢の半分 持ち掛ける、エーフェルシュタイン伯が敵 ブラウンシュヴァイク公、即ち我等が親の仇。 それまで街を慈しむ、エ伯も最早落ち目にて、 それから17年が経ち、遂に1277年、 彼また売りぬ、ハーメルン市の守護職を。 親の仇も取れずして、我等味方を失いぬ。 それからまた7年が経ち、見知らぬ男密かに来たり 我等が来し方知る者が、片手差し出し此の街出ぬかと。 仲間集まり鍵を開け、街を出るなら誰でも良し! 仇に任せる後始末、見知らぬ土地にいざ行かん! 後は誰もが知る如く、仇は慌てふためいて 我等が怨みに蓋すべく、笛吹き男のせいにした。 今や子孫も知らぬが仏、何処ぞの洞に湧いたとか。 怨みは募るハーメルン、遥かに続く蒼き空。
ハーメルンの子供たち ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1018.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-07-11
コメント日時 2020-07-12
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ちょっと引きずってまして、「ハーメルンの子」とは孤児のことでは?と思えてなりません。
0ユーチューブの俺の歴史チャンネルで、先日ハーメルンの笛吹きが取り上げられていました。 説話か何かかと思いきや、実話が元になっていたようですね。 新たな土地を開拓しに向かったとも、少年十字軍として聖地に向かおうとして奴隷として売られたとも。 この詩のように、それ以前にこのような出来事があったのかも。 日本ではグリム童話以外では知られていないのを取り上げ、このような詩にしたのは評価したいです。
0戦後日本では人気がないブローニングも『ハーメルンの笛吹き』ばかりは童話として、複数の訳が出てはいるのだけど。『クリスマス・キャロル』みたいな季節性もなくて売りにくいようです。 レッド・ツェッペリン『天国への階段』にも少しばかり引用されているくらいだから、故国では知らない人がないのでしょうに。そこを意識した訳書もないようで。 詩人が「童話」と称したくらいにはメルヘン扱いされてるけど、元ネタは実録、でも真相は未だに不明。普通に移民だったら記録した筈。思うに政変劇だったから、史実そのままは支配層には都合悪くて改変したんじゃないかな、と。
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