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がらす
双子少女の欠けら が鳴く もう一人の同顔 少々 離れ 窓硝子のそれぞれに微笑する 腹の腫れた 母親 鳥羽を毟り 白い葫蘆引きの鍋で煮詰める 砂粒は 水分を得て 傷口へ流れる 顔が双つ 秒針上 夜流する外気 境の無い窓から 寝転んだ まま 吸おうとし 腸が同時に くすぐったくなる
がらす ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 936.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-08-06
コメント日時 2017-08-12
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
言葉の区切り方に、どくとくの味わいがありますね。 夜の窓ガラスに写り込む少女の横顔のイメージと、鏡の向こうの世界、のような・・・一人の人間の中に潜む、光と影、二面性のある双子、的な魂の影、のような・・・。 はらのはれたははおや、haの音で導かれて、餓鬼のような不気味な映像が浮かび上がる。 砂粒は、すなつぶ、と読むのか、さりゅう、と読むのか・・・さりゅう、と読むと、音の響きから砂流、のイメージにも繋がります。砂時計を連想しました。 〈夜流する外気〉夜流、これは造語でしょうか。意味はわかる、けれど・・・逆に、文字の意味をそのまま受け取ればよい、ということか・・・。「双子」を隔てていたガラス窓、その境界が失われる夜・・・流れ込んでくる外気。外気を吸いこむ、はらわたがうずうずする。そんな「外界との内部での合一」「双子」の魂の合一、を イメージとして受け取ったのですが・・・最終連の飛躍が少し大きすぎて、捉え難い、ということと・・・母親と「双子少女」の関係性が、いまひとつ、つかみがたく・・・そこに消化不良感が残った、というのは、あります。
0仲程さん コメントありがとうございます。 すごく的を得ていて返す言葉がないのですが、そうですね、解釈を読んでいただけた方に任せている、他力本願な部分があります。レスポンスで完結するような。徹底的に、想像していただき、その答えを、答えにしていきたいという、元になればいいな、という。 ありがとうございます。
0まりもさん ありがとうございます。 もともとは長いのですが、殆ど捨てて、この状態に(これも長いのですが)にしています。そもそもの人間が、伝えたいことがあればそのまま伝える人間でして、詩に関しては、想像やら伝えたいことを、まず無くし、浮かんだ風景を描くようにしています。そこに意味がなくても。 ですが、流れで言うと、窓ガラスを双子の一人が割り、その光景をもう一人は遠くから見ていて、近づき、割れたガラスを踏み、笑っている光景。 次に妊娠した母親の家庭的な、と言うのと、普遍的な母親ですかね。 で、傷口への砂。傷口への砂は、塞ぐ効果と、汚す効果の二つを考え、それが、母親の妊娠と、双子の妊娠への考えでした。 最後の連は、嫉妬と逃避でした。 双子の一人が割った窓は、一人で二人となる双子の母親の妊娠という、保守的閉鎖感の突破口になる。そこから流れる夜の空気を吸い尽くし、紛らわそうとする。だったはずですね、確か。 腸の部分は、本当は子宮だったのですが、それは子供ではあり得ず、腸のうずきやくすぐりで、母親の妊娠を疑似体験した、だったと思います。書いた当初は笑 読んでいただき、ありがとうございます。
0音符♩♪♫
0すみません。kaz.さんの作品のコメント板と間違えてしまいました。 削除願います。shun kitaokaさん。失礼しました。 この詩は改行の作用があまり効いてない気がしました という説明を書くのなら ば しょをちゃんとかん がえて書かなくちゃ いけませんでした ね 腸がくすぐったい 好きです。
0shun kitaokaさん レスポンスありがとうございます。種あかし?していただいて、うれしいような、後続の読者の興を削がなければよいな、という、ちょっとだけ、心配もあります。 私自身、「かまあげうどん」という題名で、ざるうどん、のことを詩に書いて・・・読者はみな、釜揚げうどんを想像しながら読むわけです。そして、面白がってくれる人が多かったのですが・・・うどん屋さんに入って、メニューに添えられた写真を見て、「げげっ、私ってば、ざるうどんと釜揚げうどん、勘違いしてたじゃん」と焦ったことがありました・・・。結果的に、読者を良い意味で欺く作品になったので、良かったのですが。 〈母親と「双子少女」の関係性が、いまひとつ、つかみがたく〉という、私の疑問への回答を頂いたことに感謝します。同時に、そうか、そこをもっと、わかるように書いた方がいいのかな・・・でも、わかるように書くと、なんとなく通俗的な話になりかねないな・・・読者によっていろいろな読み方ができる。その、省略具合や飛躍の具合が、絶妙な間合いとなっているのかもしれないな・・・など、思った次第。
0一行目から何か惹かれました。双子少女の欠けら、まるで、双子のうちの一人が欠品であるかのような。むしろ、人は誰しもが何かが欠けており、完璧な人間はいないわけです。多少目が悪かったり、耳が悪かったり、では、この欠けらは何が欠けてしまっているのかと。そして、鳴く。泣くのではなく、鳴くのは、まるで動物だか、物です。もう一人は、それを憐れむのではなく、離れています。そして、一枚の窓硝子の表と裏からそれぞれを見ているような、そんな風景を描きました。ただ、それが夜であったら、窓ガラスの向こうにいる相手を見ているのではなく、ガラスに反射してしまっている自分を見ているんではないか、と映像的にはこの方が面白いと思いました。 そして、その二人を生んだであろう母親もまた欠点があり、腹が腫れています。鳥羽を毟ったので、煮詰めているのは、鳥の身でしょう。いずれにしても、母親像として、食事の用意という役割を全うしています。 そして、それを煮詰めるための鍋は鳥を煮詰めているのですが、鍋もしくは鍋の文様から砂粒というイメージへ飛躍します。傷口は誰の傷口か、双子処女の欠けらか母親か。 双つある顔は、同じ時を流れ、お互い見合っていた窓硝子の境界線が取り払われ、一体化していくイメージで、最後には腸が同時にくすぐったくなる。これは、双子少女の腸が同時にくすぐったくなっているだけでなく、腫れた腹を持っている母親のくすぐったさが双子少女に届いたかのような気がします。 映像作品として、何か撮ってみたいような衝動にかられました。
05or6さん コメントありがとうございました。 改行は、そうですね、音を意識していないから、なのかもしれませんね… 精進いたします!
0まりもさん 度々、ありがとうございます。 うどん、いいですね、うどんは。うどんと詩で言うと、町田康さんを思い出します。彼の詩やら歌詩やら小説にもうどんが出てきて、ちかも勘違いや思い込みで作品が進んでいく。思い込みや勘違いと言うのも想像の一種の形式で、進む力があるのでしょうね。 そして作品に、その思い込みや勘違いを想起させて、僕の意味論を軽く超えるような解釈、意味が出てくる。単純な罵詈雑言でなく、もしかしたらそんな資格のない作品かもしれませんが、それを受け取るのが楽しくて、今の所は詩を書いてるのかな、と感じます。その為に、補填部分や余白を作っている、ハーモニー・コリンの「クラック・アップ」と吉田一穂を読んでいた時の感覚を、そのままにした。と言う、言い訳をしておきますっ!笑 ありがとうございました!
0なかたつさん コメントありがとうございます。 双子というのは、やはりといいますか安易といいますか、神秘を感じますよね。シャイニングなんかでも、不気味でありながら、神秘的が融合している。モデルになっているダイアン・アーバスの写真も、やはり同じ雰囲気を写しています。 どちらかが欠けている、もしくは身体的に障害がある、これは双子としての二位一体と言いますか、これが完結しないんですよね、実に不便な状態だと言えます。この形式は個人で言いますと、心と身体が分離しているような状態で、このどちらかが欠けても、個人は成立が難しい、双子はこの状態の証人ではないのかな、と。そして、人は離れた物には冷たい。それはもう自己、もしくは構成の一部ではないから、かもしれません。 そして母親は鳥から羽を〝離し〟ています。腫れた腹からも、いつかは胎児は〝離れ〟ていく。 傷口と砂は完全なイメージになってしまうのですが、傷口は入り口、砂は離れたもの、が戻っていくイメージ。 なのですが、確か実際は、双子の一人がガラスを割った際に切った手の傷口に、風に吹かれた砂が、水分の気質を得て流れるっていう、想像だったかと、記憶してます。笑 次もイメージでして、夜流、これは夜には離れたものが無数に流れ、その離れたものを戻すように吸い込む。 離れていたものが戻る、これが妊娠であり、ここで擬似体験が無意識に起こり、離れていながら経験が届く、そして出産は母親から子供が離れる。という連鎖ですかね。 自分の作品を、自分でイメージして、お返事させていただきました。 そうですね、映像を撮っていただけたら、僕も観てみたいです!笑 ありがとうございました。
0はじめまして、shun kitaokaさん! 音のない映像を見ているような、美しく残酷な雰囲気の中、無邪気な双子の少女と風景とが動き、消えていく、その流れが見事で印象的でした。
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