蒼鉛色の街 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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蒼鉛色の街    

性食眠と衣食住 24365のサイクル繰り返し繰り返し繰り返し続ける いずれ訪れる死を待つようにそこに居る 祈ることもせず、首をもたげたまま飛ぶように外へ出る なんてことのない毎日の日課は仕事のようで その実、趣味の延長のようなものだ 威嚇の囀り、もしくは嬌声のがなり もしくはそのどれともつかない独り言を 繰り返し繰り返し繰り返し続ける 一から十になる感覚 ピンクフロイドの『狂気』のようにどこまでも広がる青い空、道沿いに咲く花 紫外線は絶え間なく七色に降り注ぐ眩しい空気中 しがらみを解くように走る、駆ける、少しずつ早くなる、鼓動はそれに連なる、通りを抜ける、行方知れず逃避行 どうせ帰る家はひとつ * * * * 端的に述べることもせず 生き残る術など持たず 舌を出す 視る 生き様を見せつける 体全体でする呼吸はしばしば宇宙とリンクする ブラックホールに隠した睡魔を思い出して掘り起こす 取り出す頃にはもう眠っている 倫理、日が暮れる 道徳、闇に包まれる 狂気、が、また、目を覚ます ただ生きるために生きてる 愚かに見えるように演じる 嘘、全ては自然体 誰もそれに同情しない 肉食ではないが、草食とも違う 相容れないと思いつつも抱き寄せる 君はそれに応じる 僕は僕を演じてる 誰が為でなく演じてる * * * * 生命活動の端々で、暫し怒り、アニマルに戻る 異常のような正常、狂気的な素面 非日常に備えよ その時は突然、訪れる もう僕を捉えない君の目を、僕の目が捉えて離さない 幽かに残る君の匂いは排気ガスに撒かれて薄まった 誰もが君を忌み嫌うような目で見つめていたし 中には舌打ちをする者もいた 僕はそんな景色があたりまえすぎて どうやら、悲しみすら抱かなかった 肉と毛の塊はぐちゃぐちゃに鮮やかに 街並みに、風、景、に、なっていく 滴る血の赤は重力の色 負け犬の色 空にはいつだって、弱者を見下ろす青色が ひっきりなしに降り注ぐ きざんで、潰して、伸ばして、鞣して 召される頃には何もなくなる 誰の目にも映らない君はもう透明になって 虚空に向かって吠え続ける * * * * 固いものに囲まれて身を守る僕らも自然 僕らの自然 生まれた時からある金網に絡まる有刺鉄線、鉄条網 二重螺旋の隅っこに小さく刻まれた呪詛を噛む コンクリの海、アスファルトの谷 そのどれもが森羅万象 一律に神は宿っている 等間隔に配置された部屋のいずれにも 人であれ神であれ、何かしら生活を営んでいる どんなに幸せな者の元にも、雨風は吹き荒び その靴下を余すところなく濡らそう 途中下車する者たちとの別れを惜しみながら 方舟は進み、僕らは冷めた弁当で腹を満たす。 * * * * 愚かにも涙を流しながら それを吸った米は塩気を増して 命はまた、僕の中へと還る 拳、犬歯、爪と腕力、脚力 未使用のままが嬉しいと思える 僕は僕を演じてる 誰が為でなく演じてる



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作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 1340.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 2

作成日時 2020-06-17
コメント日時 2020-06-17
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/14現在)投稿後10日間
叙情性11
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧11
音韻00
構成00
総合ポイント22
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧11
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:1340.4
2025/04/14 01時23分09秒現在
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