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綱
あの日・・ 僅かに湿った土の上に とぐろを巻いて置かれた 長く 太い綱の面に 見える ・・・縒られて束ねられ・・ ・・・土に汚れて黒ずんだ・・ 繊維の細かい 縞模様は まるで 取り出されて ・・・解か れた 小脳の皺の ような 歩き疲れた右足の (乾い た) 親指の ・・・指紋の ような 打ち 捨てられて放 置された (擦り切れて)煤けた ・・・畳表の ような (長く)太い綱 の面 に見える 繊維の細か い縞模 様 は ・・・・・尚も土に汚れて・・・ 黒ずみ (侘しく) 黒ずみ・・・・ 不意に「僕の双眼」より ・・・・・泪が溢れ・・・ (何故か) 理由も判らず 熱い 熱い 泪が止め どなく 溢れ 溢れ・・・・ 僅かに湿った土に置かれて (汚れて) 黒ずんだ綱の ・・面 ・・・・縒られて束ねら れた・・ ・・繊維の(細かい)縞模 様は・・・ あくまで 細かく 細かく・・・・ 冷たい・・・ (ただ)冷たい土 の上に 「僕の双眼」より 熱い・・・ (ただ)熱い泪 の雫 は なおも・・・ (なおも) な お も 溢れ 落ち続けてい る
綱 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 846.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-08-05
コメント日時 2017-08-07
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
綱がまるで腐敗した死体の様な描き方をしていていると思いきや空白の部分に実は縛られた死体を描いているのかな、とか 、点々の溜息の前のような静寂感が効いてますね。レイアウトの効果が機能した詩で勉強になりました。
05or6さん コメントをありがとうございます。 この詩の書き方は、心の中にある感情や感覚を表現するための、試行錯誤の一つです。 もっと表現方法の模索をしていくつもりです。
05or6さんの〈綱がまるで腐敗した死体の様〉という評を読んで、はたと膝を打ちました。 打ち捨てられた大蛇の成れの果て、のような・・・かつては神蛇とあがめられていたものの成れの果て、のような印象もありました。守り主が、擦り切れて、そこに横たわっている印象。 〈取り出されて ・・・解か れた 小脳の皺の ような 歩き疲れた右足の (乾い た) 親指の ・・・指紋の ような 打ち 捨てられて放 置された (擦り切れて)煤けた ・・・畳表の ような〉 なんども言い換えながら(そして、言い換えるたびに、本当にいいたいことは指の間をすり抜けていく、そんなもどかしさを感じながら)畳みかけていく、表層の叙述。表層を喩える、その対象そのものに、小脳・・・基礎代謝とか自律神経を司る機能が、さらけ出されている感じ・・・とか、人生の旅路を歩き疲れて、指紋もすり減ってしまった感じ、とか・・・既に廃れてしまって、かつての賑わいの失せた故郷の座敷の思い出、とか・・・そんな、語り手の中に仕舞われていたイメージが、喩という形で引き出されていく。その結果としての滂沱と流れる、熱い泪。 泪が溢れる、という方向で自身の感動を表現しようとすると、しばしば陳腐な表現に陥ってしまいますが・・・この作品の場合は、泪が溢れるに至る前段階が、独自のイメージから紡ぎ出されているがゆえに、読者を自然に共感に誘う泪になっていると思いました。 レイアウトも、とぐろをまいた綱にも見えてきますし・・・途切れがちの語りのリズムにも呼吸感が出ていて、成功していると思います。
0まりまさん コメントをありがとうございます。 書けば書くほど、自分の中にあるものを表現することの難しさを思い知らされますが、そのもどかしさを感じとっていただき、嬉しく思います。 ありがとうございました。
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