化生 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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化生    

コンクリートの溶けた匂いと  水晶の滴りをつけた蜘蛛の糸  (きんきらりと光っている)  雨露のせいで忘れていたが  今日は君と会う約束をしていた  お気に入りのシャッツはびしょ濡れで  麦わら帽子もほつれてしまったが  君はきっと気にしないのだろう    (煙が噴いて 顔がまっくろ)    ああだけど 君は待ってくれるだろうか  君と朝方歩いた頃は  まだ空も晴れていた  いつしか俄かに曇りだし  雨風が全てをさらっていったのだ  (明日も会いに来てください)  今一度 窓の外を眺めると  入道雲は通り過ぎ とても長閑な昼下がり    (まだ今日は昨日だったのか)  こんなに胡乱げに思うのも  全てあの雨雲のせいだ


化生 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 9
P V 数 : 1843.6
お気に入り数: 3
投票数   : 0
ポイント数 : 6

作成日時 2020-06-01
コメント日時 2020-06-12
#現代詩
項目全期間(2025/04/02現在)投稿後10日間
叙情性33
前衛性00
可読性33
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント66
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性00
可読性11
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:1843.6
2025/04/02 15時58分14秒現在
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    作品に書かれた推薦文

化生 コメントセクション

コメント数(9)
ウトイ
ウトイ
作品へ
(2020-06-02)

「お気に入りのシャッツ」でかなりハッとしました。イッヌ的なものなんでしょうか。とにかくこの言葉がまず刺さりました。 括弧の使い方も率直で有効だと思いました。 冒頭のインデントがないのはミスかも知れませんが、括弧の部分含めインデントをもっと意図的に使える可能性もある作品なのではないかとも思いました。 一方で、「雨露のせい」「雨風が全てを」「雨雲のせい」と続いていくのが、私には少しくどいような気もしました。

1
エイクピア
作品へ
(2020-06-02)

コンクリートの溶けた匂いは猛暑が念頭に有るのかもしれません。麦わら帽子が出て来ますが、入道雲が通り過ぎて長閑な昼下がり。雨雲がこの詩を支配して居ると思いました。

1
るる
作品へ
(2020-06-04)

こんにちは 「化生」とは、現実ではない場所でまどろんでいる生を描いておられるのかもしれないと感じました。 死の世界のように時間の経過が おかしい世界でしょうか? 冒頭の「コンクリートの溶けた匂い」が 私の場合は イメージしにくかったです。私の経験では アスファルトの溶けた匂いは嗅いだことがあるのですが、コンクリートの溶けた匂いは 私の経験の中には無い匂いだからです。 「化生」だから 経験することのすくない匂いがあるのだろうかと、作品に 惹きこまれました。

1
宮永文目
ウトイさんへ
(2020-06-04)

「シャッツ」というのは、シャツの方言だったようです。響きが良くて、ついつい使ってしまいました。気に入ってもらえて良かったです! 冒頭の空いていないのは、完全にミスです。ごめんなさい。 私も出来るだけ、2字空けや4字空け等の技法を使ってゆきたいのですが、行がずれてしまうと見苦しくなるのではないかと思って、慎重になってしまいました。 「雨」というものを強調し過ぎたため、読み返した際に、確かにくどい印象も受けますね。別サイトでは修正しておきます…!

0
宮永文目
エイクピアさんへ
(2020-06-04)

そうなんです。夏の詩なんですよー。雨の音ってすっごく眠くなりますよね。コメントありがとうございます!!

0
宮永文目
るるさんへ
(2020-06-04)

うぁっ! すみません、アスファルトで間違いないです。普通にミスです! 化生と言うのは、仏教の四生の一つですね。忽然と生まれてくる、みたいな意味です。 入道雲も突然生まれるので似ているのではないかなぁと思っています。……いや、似てないかな?

0
羽田恭
作品へ
(2020-06-05)

真夏の光景が目に浮かんでくるようでした。 もしかしたら大雨にあって酷い状態かもしれませんが。 それでもどこか爽やかさを感じさせる、いい雰囲気が心地よく感じました。

0
千才森 万葉
千才森 万葉
作品へ
(2020-06-11)

 なんだか素朴な印象を抱きました。そんなに大きな事も起きていませんし、うん、9割方天気のお話。寝ぼけ眼で雨降りの外を眺めている情景が浮かんできます。  時間の経過を太陽の傾きで測っているわたしたちは、雨が続いて空が見えなくなると、時間がわからなくなるのかもしれない。そんな事を思いました。雨が降ると針が見えなくなる時計をしながら一日を過ごすと、こんな感じになるのかも。  「君」とは会えたのだろうか? そんなことを思いながら、のんびりと読むのがいいかも。

0
夏村木
夏村木
作品へ
(2020-06-12)

私の憂鬱も、あの雨雲のせいにしていいでしょうか? そう思うと少し気が楽になりました。 ありがとうございます。 「コンクリートの溶けた匂い」大好きです。

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