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20200519°
霧のなか に、犬が雨に揺れるよ。 雲の狭間のかすかな陽射し が、風に霞むよ。 昨日見た犬は遠い昔の話だよ。 モニター越しの猫、でさえ。 軽い気持ちで戸口を叩いた、 あの日の午後でさえ、 今では、 音声の霞んだ、ノイズだらけの写真のようで、 霧のなかの、 映像もけむるよ。 猫の鳴き声にさえ、 今では酔うよ。 鳥の鳴き声は、 聴こえない、 朝はもう、遠いのかもしれない。 気の触れる前に、 このモニターから離れるべきなのかもしれない。 紙マッチもなく、煙草もない。 目の前の光景を、 煙でかき消す事さえ叶わない。
20200519° ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1846.8
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 6
作成日時 2020-05-19
コメント日時 2020-05-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.7 | 1 |
エンタメ | 0.3 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
よい作品だと感じました。 感覚、記憶、目の前の情景が何かの拍子に薄霧にかかってしまった。 その経験は少なからずあるものだと思いますが、それを上手く捕らえて詩にしています。
1作品の雰囲気やモチーフがとても好きです。 投稿日は2020年5月19日。今朝の様子を描いたのでしょうか。私の住んでいるところも朝から雨が降っています。 起き抜けのぼんやりとした状態なのか、はたまた眠れずにむかえた朝なのか……いずれにしても雨や霧、ノイズ、けむる、といった言葉から気怠い朝であることが感じられます。 煙草はもともとも吸わないのか、それとも何かしらの事情で買えないのか、最終行のやるせなさも、良いですね。 気になったのは、 〜〜さえ という表現の多用です。 > 軽い気持ちで戸口を叩いた、 >あの日の午後でさえ、 などはとても詩情豊かで素敵だと思うので、前後で「〜〜さえ」がたくさんあると埋もれてしまってもったいなく感じます。 意図的であったのでしたら大変失礼になりますが、そうでない場合はそういった点もこだわるともっともっと素敵になると思います。
1ありがとうございます。 人はなにかの瞬間に、 感覚がぼやけたり、あえて麻痺させたりする事があるかもしれません。 けれど意識的に考えれば考えるほど、なにか迷路のような場所に引き込まれてしま場合が時としてあるような気がするのです。詩というからにはそういった感覚を含めてこそなのかもしれません。
0さえ、の多用のみならず、 戸口のくだりさえ無自覚でしたが、 そういった点まで丁寧に指摘して下さり、 ありがとうございます。 全く寝むれてない朝方に書いた文章を ここまで丁寧に読んでくださり、逆に申し訳のない感覚ですが、 また、是非、今後の参考にさせて頂きたく思います。 ありがとうございます。
0好きです。素敵でした。 のっけから惹き込まれました。
1ありがとうございます。 大変に恐縮です、 最近眠れない日が続いて朝方に 不意に思いたってカタカタと キーボードを回していたような文章です。 頭がほとんど働いていなかったので コメントへの返信含め、 お恥ずかしい限りです。 多宇加世の作品も是非拝見させてください。
1返信に敬称が欠けていました。たびたび申し訳ありません..
1馴染んできた世界が変貌してしまったことに対する受け容れがたさが感覚知覚の変化を通して描かれていると思います。ただ、語り手が失意に落ち込んでいくありようを示すものであれ、「ない」の繰り返しは、前半の「よ」で結ばれる〈語りかけ〉との差が急過ぎて、読みの自然な流れが途切れるように感じました。
2コメントありがとうございます。 実は xxよ、のような言い回し、 は普段使う事がありません。 自分で今、読んでみても、何か じれったいような違和感を感じます。 僕は何かを意図的に表現出来る人間だとは思えないのですが、 確かに前半部分の xxよ、から 後半部分の ないが語尾につく部分、 今確認してみると、たしかに ないで終わるフレーズが続いていました.. けれども、- 馴染んできた世界が変貌してしまったことに対する受け容れがたさが感覚知覚の変化 - という感覚はたしかにあって、何気なく書いたつもりの文章に、.....ことばって不思議ですね。
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