人知れず人が死ぬ夜に
ぼくが射精をすることで
人知れず死んでった人が
ひとりであの世に行かなくて済む気がして
ぼくは6、7枚重ねたティッシュに
ぼくは
ぼくの
ぼくたちを
散らした……快楽を
伴うのは
もしかすると
罰なのかも知れない
濡れたティッシュの中で息を引取る
ぼくの
ぼくの
ぼくたちを
ぼくは
殺人者の意識も薄く
いや
ぼくは
ぼくが
一番の
ぼくの
被害者だ
ぼくの
ぼくたちが
ぼく以外に
知られることなく
死んでいく
…………知らぬ間に
…………死んだ
…………人たちが
…………それを
弔うように
死ぬように
ぼくは
ぼくの
ぼくたちを
天国に飛ばした……どうしようもなければ
情けもなく
その瞬間には
著しい快楽が伴っている
だからじゃないが
ぼくは被害者なのに
加害者面を晒して
きみは加害者なのに
被害者みたいな眼で
ぼくの
ぼくごと
ぼくを
突き刺す……氷柱のように冷たい感触が
○〜 どろりとした熱でほだされる!
○〜 痛み、だけが生を実感させる
○〜 装置になり得る
○〜 青く腐ったような
○〜 匂いごと感情を包んで
○〜 ゴミ箱に投げ
○〜 入れてしまえば
ぼくの
ぼくが
ぼくたちは
もはや
命であることを
忘れられる気がして
……(少しだけ、)楽。
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1355.8
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 7
作成日時 2020-05-17
コメント日時 2020-05-23
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 0 |
エンタメ | 3 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 0 |
総合ポイント | 7 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 7 | 7 |
閲覧指数:1355.8
2024/11/21 22時45分21秒現在
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初めまして。 自慰を書いた詩が自分にとっては衝撃的でした。 ところどころぼんやり思ったことがある感覚をまさに贖罪のように表現してるところが共感しました。 男なら一度は考えたことのある感覚を作品にしたその勇気も素晴らしいです。 文字の配列もどういう意図で書いたんだろうと考えながら読みました。
0変に斜に構えた感じが無いところが良かったです。割と淡々としている語りに、文字の配置や絵文字の装飾が奇抜すぎず程よく感じました。 >ぼくは/ぼくの/ぼくたちを/ などは意識が遠のいていくようで、作中の繰り返しからは正気と昏迷状態を行き来している様子が浮かびました。 生き辛く感じていながらも最後は少し救われたんだと思い、読んでいるこちらも「ほっ」としたのですが、タイトルに立ち返るとクスッと笑ってしまいます。捨てられていく精子と人知れず死んでゆく人の関係性には、真面目に納得させられるのですが、どうにもタイトルがニクイです。とても興味深く楽しませていただきました。
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