ぼくたちは広い野原で出会うことも
考えたこともなかった。
学校には教育があり、食事があり、
性別があり、ぼくらはそこでクソして
大人と呼ばれる日が過ぎるのを待つ。
きみは野原にいる2人の絵を描いた。
きみはどうやら蝶になりたいようだが
僕も君と同じ蝶にされていた。
ぼくは蝶になりたいと彼女に伝えたことは
一度もなかった。
彼女の野原にぼくの野原はなかった。
野原だけを描いたぼくに彼女は心底ガッカリした。
ぼくは君の描く蝶になれば良かったのかな。
ぼくは大人と呼ばれる日をとうに過ぎて、
野原で出会った人と結ばれる。
きみの描いた野原はどこにもなかった。
ぼくたちは同じ野原で出会い、別々のいきものでも十分だった。
ぼくは蝶にはならずあの時の僕のままだったけれど、
君はあのとき描いた蝶にちゃんとなれただろうか。
あのとき描いた野原にちゃんと会えただろうか。
そんなことを覚えているのはぼくだけで、
君はとっくに君のユートピアを築いているかもしれないね。
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1459.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 6
作成日時 2020-05-01
コメント日時 2020-05-11
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:1459.7
2024/11/21 19時50分35秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
これは良いと思いました。つかみでググっと引き込まれました。「君」と「ぼく」がたくさん出てるのに、うるさい感じが少ないです。ただし、好みの問題かもしれませんが、内面に迫る後半で「蝶」と「野原」がやや目立って、すこし平板なリピートに感じました。
1うれしいです 自分がリラックスして読めるように ことばを選んでいるので 人から見ると 物足りなかったりするのかも しれません ありがとございます
0