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いいねの市場
何千人という人が 「投稿」という 額縁に貼りつけられた 『今日の名言』に 「いいね」していた 誰が発したのかもわからずに どんな口が この言葉を発したのか どんな耳が 直接 この言葉を取り込んだのか どんな身体が この言葉に応えたのか どんな言葉を使って この言葉に 応えたらいいのか そんな事も疑わずに 僕の指は にこやかに 親指を突き出して ハートを描く やまのあなたのそらとおく 「さいわい」すむとひとのいう 誰も やまのあなたのそらとおく など 想っちゃいないんだ 「さいわい」まわりにあると ひとのいう 一つの 電子機器を掲げて 僕たちの頭は 解体し 吟味すべき化学物質で 埋めつくされている いっそのこと 人と人のようなものの 万有引力が解かれたら 引力から はねつけられたら 今はもう立つこともできない 彼方の星を 想うことができるのかな 今見えるのは 月の満ち欠けと 承認の満ち引き いまや 地球のコアのように 根づいてしまった いいねの 市場 すべては仕組まれた 言葉と 人格と 生活の 一切れを資本に この世は回る ああ回る 僕は 細やかな 自尊心を 兌換して 「いいね」を押す この世は回る ああ回る
いいねの市場 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1541.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-04-12
コメント日時 2020-04-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
では即興で返詩を。 善い言葉を表そう 「いいね」 そのカウントが上がる事がなくとも 高揚も何もなくとも 虚空に向かい 言葉を行いを発し続ける 誰も注目しない 売れ残った 言葉 発したた自らだけが 心に留め 熱が体に帯びる 「いいね」 カウントが上がる 合掌し感謝した この世において 法輪が少し回る
1返詩ありがとうございます。数日経って自分の書いたこの詩を見直すと、ただただ傍観、悲観しているだけのスタンスで発展がないなあと思いました。羽田恭さんの返詩がその部分を補完してくれている気がします。この「いいね」の世界を認識した先で、さらに発想を発展することが重要なのかもしれません(当たり前かもしれません笑)。 法輪、すごく良い表現ですね。僕自身現実がただ回っているだけなように見えて、現実社会の回転においてあまり意味合いを感じていなかっただけに、この部分が響きました。
0あ、ちなみに法輪は仏教で知恵の象徴となっているものです。 で、今調べてみたら「仏教では教義(法輪)を他人に伝えること(転)」となっていたので、この詩での使い方は間違っているかもしれないです。
1え、なんか自分も即興返歌したい気分!!します!!! 投稿に投降 その先を見ずに何を見る 詩人さん? 僕なら曙光を垣間見る アルゴリズムの傾向を読む それが詩人の為すことだろう? 地球の地軸を少し傾け 世界の謎を解き明かすのだろう? 愚直に生きることこそが 詩人のイイ音色を生むんだろう
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