結尾 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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結尾    

雨の季節が来る前にさうしなくてはならない 視線を地に埋めた 熱い砂をかぶせておいた これでよい とぎすました指を 命にむけることもなく 楽譜をとぢるやうに空を折り畳んで そぞろに奏でるフーガの 結尾を私はまだ考へてはゐない このままぢつとして この世界のおはりを待つこと 祈ることではなく――時を支配するものになるなら 私に見えないものはない 見えるものもない 忘却の方角へ錨を投げてみる ふたつ それとも三つ あるいは 時の始点にひとつ 確かめたかつたのは神話が真実であつたこと それはもういい 私は曲を終へよう それはあかるい



結尾 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 1734.5
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-04-09
コメント日時 2020-05-04
#現代詩 #ビーレビ杯不参加 #縦書き
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
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閲覧指数:1734.5
2025/04/10 02時40分56秒現在
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    作品に書かれた推薦文

結尾 コメントセクション

コメント数(4)
stereotype2085
作品へ
(2020-04-09)

あえてのライトコメです。石村さんは詩の集大成へと向かってらっしゃるように感じます。単なる終活ではなく、詩的終活とでも呼べるような。結尾、終わりが決して暗くなく、あかるいのなら私たち後続の物書きもある意味安心です。もちろんそこには自分自身でたどり着かなければならないのですが。「みながハッピーエンディングを愛する」私の大好きなミュージシャンのラストアルバムのタイトルです。やはり結尾はあかるく、幸せであるべきなのでしょう。やや自分語り、失礼を。

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石村利勝
stereotype2085さんへ
(2020-04-12)

ステレオさん、お返事遅くなりまして。いつも拙い作品に懇切なお言葉を有難うございます。 ここ1~2年は、もう俺には書くことはない、自分に与えられた乏しい才で書けるものは書き切った、と思いながら、余韻のごとくにぽつりぽつりと浮かんでくるものを書きつけている感じです。既に詩書きとしての「余生」に入っていて、いつ創作が途絶えても不思議はないし、それを恐れる気持ちもないという心境でおります。作の出来不出来もある意味どうでもよい。読者サービス(自分という読者も含め、ですが)も面倒臭い(笑)。そんな具合に書かれた物にも、目を留めて下さる方がいるというのは望外の喜びなのです。こちらも自分語りで失礼をば。

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藤 一紀
作品へ
(2020-05-04)

おはようございます。 >私に見えないものはない >見えるものもない >ふたつ それとも三つ あるいは >時の始点にひとつ >それはもういい などに見られる反復運動は、音楽でいうところのまさしく《フーガ》の技法というものではないでしょうか。 語り手には見えているものがあり、それを追うように、または応答するように語りが展開しているように感じます。最終行は素晴らしいです。《私は曲を終へよう》という語りによって、これまで曲が流れてきていたことがわかり、ここから音楽が立ち上がってくる。そして、最初の行に戻って読み始めるとたしかに音楽が流れているような心地です。 繰り返し聴いていたくなる、深い味わいのある作品です。

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石村利勝
藤 一紀さんへ
(2020-05-04)

藤さん、ご高覧ならびに懇切なコメントを有難うございます。 抒情でもなく、自分語りでも物語でも思想語りでもない、音楽を聴くように読んでもらえる詩を書くのが理想なのですが、かりに書けたとしてもそのように読んでもらうには、心ある(愚かでない)読み手が必要になります。 理想には程遠いものしか書けていないのに、藤さんはじめそのような読み手の方々に恵まれている己の幸運を噛み締めています。

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投稿作品数: 3