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おにおん
かなしいこと、 ですが、 おにおんに罪はないのです、 // 夜食はカレーです ルーはこくまろカレーです 牛肉 人参 馬鈴薯 マッシュルーム ブロッコリー を適度な大きさと形にし ステンレスの容器に並べて そして手際よく 鍋の中に放り込んでいきます ですが玉葱を手に取り 皮を一枚一枚ゆっくりとはがす するとつくようなにおいが目にぢんぢん溶けていく 中心から頭蓋をサアーーーと垂れ 全身に染みこんでいく 痺れる目がかすむ 白い皿は足元に砕け散り 包丁はキッチンの床へ突き刺さり 玉葱を握りながら汗をぬぐいながら どろどろどろどろ流れつづけて // 嬉しい涙 悲しい涙 つらい涙 おかしい涙 笑いの涙 戸惑いの涙 怒りの涙 涙たちは時空を一息に飛び越えてくるのです そして雨が降り 川が氾濫し 海となり 嗚呼、しかし この手の中のおにおん を見つめる 体中に駆け巡る 痺れと涙と汗のなか 頭のてっぺんを走る赤い痛みが っぐいぐいーぅぐぐぐいーーっーぐぐがーー 突き破り生えだしてくる 角が一本二本三本 百本千本 白から銀 金 虹の輪となり包み込んでいく !? ? ボッ !! ! !? 、、、 ! 、 ! 、 ! ? ! 友達が 、 断 し 誤し、 っ たん、 だ 以前 、、 れ か ! ? ジャ ト っ、 、、 、 ミ イ ル ぶ 、、 ! 、ッ! ! ! 、 ? 、 ? キッチンで夜食を作っている僕を 窓越しに狙い撃ちにするのです // 私たちはこれからも ・春は春風オニオンスープ ・夏には潮風香るオニオンビーチカレー ・秋になれば山幸たっぷりのオニオングラタン ・冬には雪夜にほくほくオニオンシチュー クッククックと奇声を上げる コックの作る旬のメニューを楽しむのでしょう 雨が降り 川が氾濫し 海となり 嗚呼、どれだけ剥けばいいのでしょう 鬼恩、 そんなにまで涙流させて────
おにおん ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2167.5
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 40
作成日時 2020-04-09
コメント日時 2020-04-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 7 |
前衛性 | 6 | 6 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 5 | 5 |
技巧 | 7 | 7 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 11 | 11 |
総合ポイント | 40 | 40 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.8 | 0.5 |
前衛性 | 1.5 | 0.5 |
可読性 | 1 | 0.5 |
エンタメ | 1.3 | 1 |
技巧 | 1.8 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2.8 | 0.5 |
総合 | 10 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
おにおんってひらがなにすると口当たりがすごく良いですね……おにおん。 おにおん切ると涙出るのって、おにおんの最後の抵抗?自衛?なのかなと思います。 罪はないけど殺されるおにおんを殺して食べる人に罪があるのかなぁとか、考えてしまいました
0上のコメント間違えて空白で送ってしまいました。すみません・・・ で、スプラッター系が来るかっと思いつつ、 ある種のユーモアにも感じました。 鬼恩はちょっと笑う所とでもいうか。 『嬉しい涙~』部分への飛躍も好きです。 欲を言えば、前半ですこーし語り部の人間部分が感じられてれば、この部分への飛躍が一層生きたのでは? とも思ったのですが『ユーモア』とホラーの狭間?というムードにおいてはこの形がいいってことなのかな、などとも思いました。
0これもけっこうおもろい なんか読みごたえあり 玉ねぎトリップの詩 玉ねぎを剥くと涙がでてくる 一枚 二枚と剥がしていく また涙がでてくる 三枚 四枚 五枚 いくら玉ねぎを剝いても ただ涙が出てくるだけで いつまでも玉ねぎは皮ばかりなんだ みたいな
0面白かったです。調理の流れからどうなるかと思いきや思わない方向に飛びましたね。玉葱(オニオン)と鬼。音のつながりをうまくつないだなあ、と感心しましたが、一番面白かったのは変身?シーンとボッでした。
0* 失礼になりますが、コメントに返させて頂きます。 • 沙一さん 「陳腐」という言葉はこういうことを指すのですね。10年ほど前の作品ですが初めて知りました。これで成仏できました。ありがとうございます。 • 眠い人さん ビートルズの唄にGlass Onionがありますが、そのあたりから連想妄想が始まったかな?と。後は世界事情でしょうか。涙の訳はOnionなのかおにおんなのかなんなのかーーーそんなところかと。ありがとうございました。 • tOiLeTさん スプラッター風味?はあまり強すぎないほうが食べやすいのかなと。鬼恩、は浮いていますね(笑。 語り手の人間や日常などですね、なるほど。そのあたりは一本調子で足りない部分ですかね。本来はもっと派手なものでしたが、端折りはしましたね。参考にします。 ありがとうございました。 • 小林素顔さん 玉葱からおにおん、鬼恩へ。トリップ過剰気味かもしれませんが。6連については視覚の方へ行きすぎた感じもしますが。このあたりは詩文を連ねていましたが、説明的てしたから変更をしましたね。 ありがとうございました。 • Um Fantasmaさん はい。玉葱は芯がない?のでしょうか。なにかそのあたりを最後に残したものに調理した感もあります。かなり強引にですが。 ありがとうございました。 • 藤 一紀さん そうですね。前半と後半の具材やメニューのリスト表示については名詞による体現止めとなりますから、このあたりに説得力を持たせるべく全体の表情感触をどう調理するのかとは思いました。駄洒落についてはブラックといいますか、ゴロッと置かれた感じにしたのかなとは思います。 ありがとうございました。
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