冷たくなる手のひら
重くなるまぶた
頬をつたう熱と
呼吸音
髪の毛の絡まり
足先のしびれ
軟体動物的な舌のうごめき
鼓膜を震わす
柔肌の吸水性
球体関節の知恵の輪
なだらかな朝の透明度
水槽に沁みいる鳥のさえずり
ガラス窓に突き刺さって
たゆたう微睡み
陥る無意識
唇の動き
日に焼けた肌の匂い
腰のあたりの曲線と
歪な雲の類似点
喉の一部始終
生理現象的火照り
爪先の鈍いするどさ
照り返す浅葱色
雲間に誰かの戯れ言
転がりながら
転がしていく
肉と肉の重なり
朝暮の繰り返し
その連なりのなかに
芽生える愛
まつ毛にとまり
脇腹の薄皮
濡れる耳
風に揺らめく
傷つきやすい
若葉の頃
月とサナギ
さざなみと凪
絡まる指から
ほどけゆく身体
霧状に、ひとつに
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1830.3
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 9
作成日時 2020-04-06
コメント日時 2020-04-14
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 9 | 9 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.7 | 1 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0.7 | 1 |
総合 | 3 | 2 |
閲覧指数:1830.3
2024/11/23 19時07分08秒現在
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あらエッチ、それでいて写実的で文構成は断章的で1文ごとに読むのが苦ではない。 本詩を読むと何かMV(ミュージックビデオ)の群像のようなものが脳裏に浮かびます。 それを作者様が意図なさって艶めかしい短文を逢瀬の経過になぞらえて書き尽くしてくださったのかと思います。いやぁ、エッチ。 ただ1点だけ素人文句を言わせてください。 15行目(行数間違っていたらごめんなさい) >陥る無意識 他の行については何かしらのイメージが浮かびますが、この行に関しては特段何もイメージが浮かびませんでした。 より深い(性的な意味でも)所に堕ちていくあの感覚を表現なさっているのは重々承知ですが、前述の通り、他の行が写実的であるために少々勿体ないなぁと。
1一目観て、情報量が多いと感じました。しかし慎重に一語一句拾っていくと、柔らかな官能とでもいうべきものが描かれており、好感を抱きました。辛うじて僕の中で詩情として消化されたという印象です。可読性という主にビーレビで焦点をあてられたポイントに絞ると若干弱いような気がします。<若葉の頃 以降は語るべき描くべき要素が満たされたのか、肩の力が抜けて綺麗にまとまっていると思います。
1一文一文は良いのですが、終始体言止めの言葉の中で、緩急がもう少し欲しいなという印象でした。部分的にしか構成がうまく働いておらず、美しく、詳細に描写するそれぞれの一文に対し、全体の雰囲気がぼんやりしているように思います。
1まず単純に、この作品の詩的フレーズ?が自分の好みなんだと思います。 こういう場合はもう、このムードでたっぷり溺れさせてくれ!という感じで、その点で十分満足してしまう自分がいます。 あるいは一般論的に言えば、もう少しコンパクトにまとめるパターンなども面白いのかもしれませんね。 作者様のフレーズのセンス?は好きです。
1あっかっこいいこれ。体現止めの連続でなんだかテンポがよきなかんじ。初夏の透明なかんじをうける。端正。
1眠い人 様 コメントありがとうございます。 断片的な風景(または抒情の欠片)を短い語で並べることで、朝から夜にかけのタイムラプスを表現しようと考えて作っておりました。 ご意見にもあったように、「陥る無意識」という一行は、他の行と比べて少し説明的で浮いているように感じました。ご指摘ありがとうございました。
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