あまりに雲をみている - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

あまりに雲をみている    

重力に左右される泡も ほっ と失う ふっ と抱きしめられたら 脊髄が離れたくなる 赤だか 青だか 緑だかの こんごうぶつ を 人はなぜだか にじ と呼ぶ それを 逃がすのはいつも こどもたち よろこぶのも いたずらも 雲をあまりにみているから ゆめなの? と 呟いた つぶやきは ジユウ 失われずに済んだ泡の いちぶ うしなわれた 無残な つぶ つぶだけが どこかで 残骸を残す それは ぬる とする? さら ともする? あるいは そのどちらでもない きみのほっぺたを ぐりぐり なぐさめる 赤いほっぺ 青くも 緑のいろもあるそれ 人は なんて呼ぶのか知らない こんごうぶつを わたしは むにむに ともする それを 綻ばすのはいつも 雲が 浮いたり ジユウっぽくなったり もうもう へんなかたちで驚かせたり 声は とどいてない 雲をあまりにみているから ゆめだ と 呟いた つぶやきは さべつ?


あまりに雲をみている ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 1560.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 5

作成日時 2020-04-04
コメント日時 2020-05-04
#現代詩
項目全期間(2025/04/07現在)投稿後10日間
叙情性20
前衛性10
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻10
構成10
総合ポイント50
 平均値  中央値 
叙情性22
前衛性11
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻11
構成11
総合55
閲覧指数:1560.2
2025/04/07 00時38分43秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

あまりに雲をみている コメントセクション

コメント数(6)
ふじりゅう
さんへ
(2020-04-05)

ありがとうございます。昨今、人と人との関係というものが血を帯びていないようになってきていると理解されていますが、それを描写したく書いてみた一作です。相手の気持ちに遠く触れられない、だからこそちょっとしたことに臆病になる、そのような繊細さを感じ取れるアンテナを最早多くの人は備えていないのではないか。そのような繊細さを携えることが馬鹿馬鹿しいと思われるくらい、人と人との関係がシステマチックなものになっているのではないか。そのようなニュアンスがあるのかないのかはよくわかりませんが、コメントを拝読し、ちょっと詩的な文脈がクサすぎたのかもしれないとも自責しました。ともあれ、お褒め頂き感謝です。

1
エイクピア
作品へ
(2020-04-30)

雲や泡などの不定形なフラクタル的な感じなものに対する憧れがあるのかもしれません。よくふかふかの雲の上に乗っかって、ではアルプスの少女ハイジですが、あのオープニングテーマのアニメーション。でも意地悪く、科学的に言えば、雲は、近くに寄ってみればすかすかのたんなる水が冷やされた氷晶の固まりでしかないので、乗ろうとすれば乗っかれなくて落ちるしかない。そんなアンチ画像も多いかと思います。この詩で出て来る「ジユウ」。不定形なものに対する思い入れは「ジユウ」に直結するとは限らないかもしれませんが、一つの総括として出て来た答えが「ジユウ」。「ゆめだ」と言うフレーズ。「さべつ?」と言うフレーズはぽつりと寂しい感じが強く、終止が微かで、最後にダカーポ(最初に戻れ)に記号が隠されているのかと思いました。

0
つつみ
作品へ
(2020-04-30)

この世はあらゆる「こんごうぶつ」でできていて、名前があったりなかったりする様子がおもしろいです。 第三連では、「失った」と感じているのはそう感じているほんの一部の人で、「つぶ」自体は決して消えたりしないでどこかに残っているものなのだということを改めて認識しました。 「いちぶ」と「つぶ」で韻を踏んでいるところもよいです。 雲をあまりにみているから ゆめなの?はジユウで、ゆめだ は、さべつ?その理由ははっきりわかりませんが、ゆめなの?の方が耳に心地よいと感じました。

抒情:2 前衛:1 可読:0 エンタメ:0 技巧:0 音韻:1 構成:1  
0
ふじりゅう
さんへ
(2020-05-04)

ありがとうございます。 脊髄、という言葉は、脊髄反射という言葉と迷ったのですが、あくまで体の一部という具体性が欲しかった節があります。 ご指摘の件につきまして、リズムをそれなりに重視した作品でありながら、リズム感を置き去りにした箇所であったのかもしれないと思い、書き方の方向として至らぬ点であったのではと感じました。 読めそうでなんか読めないタイプの作品を目指したのですが、そんなグチャっとした類の此方の作品へ深く立ち入ろうとして頂き、ありがたく思います。感謝申し上げます。

1
ふじりゅう
エイクピアさんへ
(2020-05-04)

ありがとうございます。私の作品はおおよそ、最終行を最初へ結び付ける、仰る通りD.C構造を多用するきらいがありますが、本作もそれが現れた感じがします。 雲とか泡とかって、比較的多くの作品で見受けられるのですが、そもそも不定形なものにインスピレーションを皆さん感じるのかもしれません。 ハイジは私拝見した事がございませんので、Amazonプライムなどでありましたらオープニングだけでも見てみたいと思います。

0
ふじりゅう
つつみさんへ
(2020-05-04)

ありがとうございます。 実際問題として、この世の多くは混合物で出来ているのですが、そういった自然現象としての混合物ではなく、もっと内側に閉じこもった視点からの「こんごうぶつ」を書きたかった感じがあります。 ゆめなの?とゆめだ、は疑問と断定で物語や感情、時間軸が違うものとして表現したつもりでしたが、上手く伝わる術では無かったようで、ご指摘痛み入ります。詩は目で読むもの、でありながら「耳」つまり聴覚の要素を持って来られたことに驚き、また新たな視点を勉強させて頂きました。感謝申し上げます。

0

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 1