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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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   ──幼児に対する誘拐と殺害について──   星をつなぎとめ、形づくる。   崇高 というのでなく、信念と倫理とが発動された。   忙しい瞬き。   瞼を、微細な痛みが貫く。   愁いの夕空から蝙蝠たちを展開させるための試行が召喚する。   尊厳 を賭け、被告席から証言台へ向かう。   黒衣を纏う無表情のものたちを前に、死刑宣告を受ける。   私はどのように逝くべきか。   ことばを吐き、聴きたいか。   誰が許可をし、線引きを行うのか。   示談による決着はあり得るのか。   蝙蝠たちの飛翔に眼を凝らす。     侵食し、追いつめるものたちの姿を探る。   私は、無実であり、再審を請求する。   黙秘ではなく、潔白 である、証のため。   厳格を重んじ、非情なまでに他を排する、   永い歴史の中で培った思想。   王を定め、位を定め、神へ奉納する、国の、   川という川を越えていく。   新月の夜、私は走り出す。    *** 漁を営む海辺の町にたどり着く。町は小島の隅にあり、年中温暖な気候を保つ。乾いた潮風が島内をめぐり、光を受け翼を広げている。自然であることを謳歌している。まだ軽い痺れを残す身を浜辺に横たえうつらうつらとしていると、背広姿の屈強な中年男の二人が近づき、寝そべる私の両脇へと腕を差し込んで抱え起こそうとする。私は冷静に理由を話すように乞うが、男達は答えずにぐいぐいと引っ張っていこうとする。そばに置いていた、所々に赤黒い斑点が滲む、袖や襟元が弛み垂れ下がるみすぼらしい上着に私は腕を伸ばしつかみとるとおとなしく連行されていく。幼い頃から通いつめ慣れ親しんでいた駄菓子屋で買い込んだ、まだ淡く原色の鮮やかさを僅かにとどめる色とりどりの金平糖。その数粒が正午を過ぎたばかりの陽の中へこぼれおちるのを見る。


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作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 1089.8
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-04-03
コメント日時 2020-04-03
#現代詩
項目全期間(2025/04/14現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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叙情性00
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閲覧指数:1089.8
2025/04/14 09時40分39秒現在
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