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死神の日記
2020/3/27 退屈な毎日だ。 やる事もないからひたすら下界を眺めてると、核の動きが忙しなくて羨ましい。 魂を核にしてる下界の生き物とは違って、俺ら死神には支柱になるもんが無い。 核の寿命とかタイムリミットとか、生前死後とかそういう概念がそもそも俺らには存在しないんだ。 だから日がな1日賭けにでも興ずるか、腹が減ったら下界から少し核を掠めとるくらいしかやることが無い。 コロリンとかなんとかで下界の生き物が騒ぎ立ててるのを見るのは一興だが、そのせいで健康な核が減ってるんだからわりと死神も他人事じゃあない。 美味い核ってのは総じて異物なく健康的に動いてるもんで、そういう核ほど活きが良いせいでよくあっちこっちへ動くもんだから、コロンだとかなんとかが移ってるやつが多くて、腐って熟れてて食う気が失せる。 原則、動いてる健康な核に直接手を下して奪うのは御法度だ。 やりようはいくらでもあるんだがグレーゾーンというか、バレたら親玉に消されちまうからそれはできない。一応死神も死ぬってことだ。 だから本来よりはやくタイムリミットが来た核の一部を拾い食いしに行くんだが、それが今はほとんどコロロンみたいなやつのせいで腐ってて不味いやつばかりなんだ。 まぁ別に食わなくても俺らは死なないんだが。 生活という概念が存在しない俺たちにとって、下界の生き物がその生死ひとつひとつに一喜一憂してるのは少し羨ましくもある。 ここでは誰も死なない。誰も生きていない。そこに感情が介入する段階まで行かない。 昔ここに唯一たどり着いた下界の生き物が俺らを見て、死ぬことなき最先端の生命体だとか、神そのものだとかなんとか言ってたが、勘違いも良いところだ。 タイムリミットがある核を持つ。 そのことがどれだけ面白いことなのかを、あいつら人間ってのは分かっていない。
死神の日記 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1200.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-03-27
コメント日時 2020-03-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
死神の日記。タイトルが良い。悪魔の辞典などがあるように、人間の悪意、あるいは暗部、人生の悲劇を表象した存在が何かを語るのはとても興味をそそられる。しかし残念ながら私はこの詩でその興味を持続することが出来なかった。洗練させて、短めにわかりやすく凝縮したと言う印象がなかった。死神の考えることがやや斜め上に行っていたのは面白かったと思う。
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