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汚濁
僕の睫毛にはショウジョウバエが、 私の鼻頭にはホタルガが止まっている。 羽音が僕の為に鳴り 私を選んで羽を休めている 腐乱臭がするのは生きているからだ 微動だにしないのは死んでいるからだ 誰かの陰口だけが電波を借りて零される 崩壊した繭層を 焼却場の私だけが、見ている。 歪曲する喧騒を 浄水場の僕だけが、殺している。 私の鼻頭にはホタルガが、 僕の睫毛にはショウジョウバエが止まっている。 何者でもない個体を融解させながら 僕と私からは 微かに嘘の味がする
汚濁 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1618.3
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-03-12
コメント日時 2020-03-30
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
>何者でもない個体を融解させながら >僕と私からは >微かに嘘の味がする ここ面白いですね。 融解したのはホタルガとショウジョウバエか。 それとも僕と私か。 そもそも僕と私って? 不可思議な所がいい雰囲気を出しています。
1シンプルに上手くて、圧縮した小説みたいです。 焼却場、浄水場という「最果て」で融解する命が持つ嘘の味、 その味が気になる僕はショウジョウバエの資質があるかもと思いました。
1ショウジョウバエは個体自体が小さく、僅かな隙間、言うなれば押し入れなどで確認されるような種です。 ホタルガは、その名の通り見た目がホタルに酷似しており、飛び方も蝶のようにひらひらと舞います。 僕と私がいるのは同じ身体です。 二重人格ではなく、自覚のある二面性。 あまり語るのは得意ではないのでここまでにします。 コメントして下さった方々ありがとうございます。
0おそらく二つの人格を持った一人の人間の詩なのだなあと思ったのですが、 二面性についてだったのですね。 それは抜きにしても、その映像を思い浮かべるだけでぞっとするような美しさを感じることができました。 一種のナルシシズムというのか、 耽美ささえも感じられてヨカッタです。
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