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病院
ミネラルウォーターを注ぐと 女は喉をならして飲み込んだ 白いブラウスから 女のブラジャーがみえた この先も同じ思想をもったまま 生きていくことなど 不可能だろうと 男は思った 病んだ女の胸は 世界の再現だ 聖ピーテルの入口の 停留所から 女は長い黒髪をかきあげ 傘を折り畳みながら バスに乗り込んだ 全体に緩慢としながら 満員の車内をを揺らし続ける ディーゼルのエンジン音が 街を通り抜けていく 病院にたどり着いたのは午後 手術は2日後 同室のマルは 毎日アイスクリームを くれるようになった バニラアイスを こしとった成分で 私が生きてるとでも 思ってるみたいだ ねぇ マル 君は病院を「卒業」してしまったら どこへ行ってしまうつもりだい? 雪が降る 降り続けて つもる 落下し 着地する 一面の雪の中に 立つマルと私 ぼくは羊に草を食べさせて 羊の毛を刈るよ 街のパン屋さんから パンを買うよ ぼくはのんびりでいい 私は少しホッとした 本当は病院を「卒業」していく 人達の事を思ってはいなかった 名指すことのできない心を また私は 別の愛を 見つけなければならない 私はマルの刈った羊の毛で セーターを編むわ 希望の取り外された 世界の仕掛けは ゆっくりと自転する 最初からわかっていたよ ゆっくり大きくなっていく 私のお腹の中で マルの子が 大きくなっていくのを また蹴った え 何? 君の仕事は きっと世の中に役立つよ マルに刈り取られた羊が 風邪をひかないように 私がセーターを編むわ 編むから 全部編む 戦争よ そういうと 私は手術台に乗った マルは心配顔に 私をのぞきこんで 問題がこじれてしまったと 思っているようだったが 私に見えるのはふたつだけ ふたつの事だけだよ マルの羊と 私の編んだ 黒いセーターのことだけ
病院 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1149.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-03-05
コメント日時 2020-03-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
共作です。実は私にはこの詩をどう解釈したらいいか分からないのです。お分かりになられた方のご意見など聞けたら幸いです。
0ごめんなさい。これはみうら個人の趣向に合わないからだと思うのですが、読んで入ってくるものがなかったです。ただ、この作風を好まれる一定の人たちがいるだろうなとは思う強度はあります。なんだろうか、実存に急に方向変え過ぎているように思う。元来あった渚鳥さんの「作品全体が示す意味によって使う言葉の定義を一般から解離させる世界」が失われていて、なんというか、平たく言い表すと、「思ったことそのまんま書き出しました」という感じ。これでは読者は楽しめないだろうに思う。ただ、一定の評価は受けるであろう良作には思う。
0すみません、共作だとのコメントを、後から知りました。共作であるとすれば、ちょっと頓珍漢なコメントになったかもしれません。
0三浦さんへ コメントありがとうございます。 へええ、私の作風をそんな風に思ってくださっていたとは…。 ええ、これは共作です。で、お恥ずかしいことにこの話の筋が私にはよく分からない。(話じゃなくて詩だけどね。)そっと教えてくれたら喜びます。m(。_。)m
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