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女神が春雷
月あかりの降り注ぐ庭 馴染まない舞踏の催しはいつまでも続くのだろうと 諦めていたのに 私は彼女の踊りに 心を撃ち抜かれてしまった 生まれて初めて私の瞳に私の光が映った 瞬間だった甘くて美味しそうな唇が私の脳を灼いた 即物的で攻撃的な漆黒のドレスを身を纏い 焔と燃える瞳をナイフにして 私の感情にケロイドを残す熱さで突き刺した 一度夜空を雲が覆い 彼女の姿を見失ってしまったあと 純白の月が雲間から光をあたかも スポットライトのように当てる漆黒の髪 漆黒のドレス 漆黒の翼 そして真紅の唇。 私は氷像となってもよい ほんの微かに触れるだけでもよい 女神にキスをしてみたい と、この世の最後に願う夢を見てしまった そして私は罰と死を覚悟して 女神に愛を告白してしまい まるで違う生き物を見るような目で 見られたのだが でも 私の背中にもまだ小さいのだが 翼が それも純白の月光色の翼があることを知ると もう一度私の 彼女から離せない目を怒ったように見つめ直し そういうことなのね、と自分に言い聞かせるように 口の中で呟き 私にぶら下がるように強く抱きつき 夢よりも甘くて美味しい、そして切ないくちづけを そっと、一瞬 与えてくれたのだった その夜から 私は女神に仕える小鬼になったのだ
女神が春雷 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1176.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-03-05
コメント日時 2020-03-16
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いや、誰もコメントくれないし、読んでもいただけないようなので、ちょっと。 かなりまえからのことなんですが、自分の書く詩のどれが良くてどれがダメなのかがわからない。 いや、むろん、すべてダメっていう言い方は、まぁ、アリだとは思いますけどね。 でも、たとえば、この詩と1日違いで投稿した詩は、いくらなんでもこの詩ほど読まれていないということはない。 でも、作者の名前以外にそれぞれの詩に違いがあるとすれば、もう、タイトル、か、タイトルの下に書かれている詩の冒頭部分くらいでしょう? それで、こんなに差がつくのか? なら、なんというか、「そういう」書き方をしないとイケナイなぁ。 ここで少しでも多くの方にお読みいただくためには、いますぐにはちょっと思いつかないけど「そういう」書き方を考えて実行しなければならないんだろうなぁ。 これで、正解? それとも邪推?
0反応がないと、自分自身良いのか悪いのかわからないという気持ち、わかります。 で、なんですけど、この作品、前の「なぜ悲しみばかり流れるのだろう?」から見ると、格段に読みやすくなってると思います。 ラストの >私は女神に仕える小鬼になったのだ というところも、小鬼というところがいいなと思います。天使になったじゃなくて、小鬼になったというところが。 僕が読んだ感じですが、この作品はちょっと過渡期的な印象を受けます。読みやすくなった分、花澤さん特有の味わいみたいなものが薄れているように思います。 でも、それはそれで悪いことではないと思います。例えば、サナギが見た目の変化がほとんどなく魅力に欠けても、その内側では急速に変化して羽化に備えている。 あとは適切な時まで努力あるのみだと思います。 ちなみに、米津玄師さんに「春雷」という曲があって、良い曲ですよ。米津玄師さんに絡めて言うなら、フーリンの歌うパプリカ、ハレルヤ。あと、今度、「感電」という曲を出すらしいです。どんな曲なのか楽しみです。
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