姆大陆――記憶のムー大陸―― - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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姆大陆――記憶のムー大陸――    

記憶の中のムー大陸は カラジウムの葉が茂り 雨にも負けない楽園だった (雨ニモマケズ/風ニモマケズ/雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ……) 丈夫な言の葉を持ち携えて 僕はムー大陸へと向かった 虹の消える先からがこの大陸の入り口 (欲ハナク/決シテイカラズ/イツモシズカニワラッテイル……) 一日に飲めるのは乳の滝の下で浴びる一杯 口の中が悲しみでいっぱいになり 溢れ出るのは涙の鉱脈 (アラユルコトヲ/自分ノ感情ニ入レズニ/ヨクミキキシワカリ/ソシテ忘レズ……) 野原を歩いていくと 僕は鳥に肩を掴まれた 僕はそのまま任せた すると飛んだ (空ノ青サハ/青ガ争ッテイル証ダ/ドンナ比喩ニモ底ガアリ/底ニハ辿リ付ケナイ……) その      飛       躍 が撮られ 空中写真となって返り咲いた (……完了形ノエスペラントヲ過去形ノ中国語ニ訳ス/時ハ二千八十年/ボラーニョガ都市ニツイテ書キ記シタ年/中国語ノ文法ハ高度ニ発達シタ文明ヲ呑ミ込ミ支エテイル/トランプ政権ノ抵抗モ虚シク世界ハチャイナイズムニ染マッテイル……) それが最初に雑誌に載った 僕は空飛ぶ超人間! あのとき僕が飛ぼうとしたのは いったい何だったのか 記憶の中のムー大陸は ナチスドイツの検閲のために消えた あとは野となれ山となれ ウィキリークスにも残らない


姆大陆――記憶のムー大陸―― ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 1061.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-07-16
コメント日時 2017-07-19
項目全期間(2025/04/16現在)投稿後10日間
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2025/04/16 12時04分05秒現在
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    作品に書かれた推薦文

姆大陆――記憶のムー大陸―― コメントセクション

コメント数(5)
角田 寿星
(2017-07-17)

んが。じぇんじぇんわからんす。 タイトルのムー大陸を中国語にしたこと(しかも陸の字がこんななってるし)、 それと、宮沢賢治やボラーニョがどうゆう関係にあるのか、 中国でムー大陸に関するムーヴメントがあったのやらどうやら… ああ。『謎』なんだね。確かに。 世に伝えられてる常識や歴史とは異なる世界の謎だから、文体も軽くったっていいわけだ… とりあえず、筆者の前世に乾杯。そして『月刊ムー』掲載、おめでとうございます。

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渡辺八畳
(2017-07-18)

この詩は賢治などの引用を挟まないほうが、聊斎志異とかみたいな中国幻想古典な雰囲気を出せてそちらのほうが良いし少なくともそのほうが私の趣味であるな。 結局私はkaz.さんの近作しか知らないので過去はどうだったかは計り知れないのだが、知る範囲での作品はこれ然りどれも引用や絵文字やといったギミックが悪目立ちばかりしていてうまくいっていないように思う。ギミックばかりに気を取られてしまうし、そうなるとその他の部分との不和を感じてしまう。

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kaz.
(2017-07-18)

角田 寿星様 ムー大陸という雑誌は過去にあったものですが、未来にムーが、ムーのごときものがまた生成することがあるかもしれない。過去と現在と未来とが入り乱れ、複雑に交錯するものが見てみたい。というか、それを書いてみたい。という感じ、かなあ。だから、わからなくても良い、でも今回の作品は他に比べるとわかりやすいはずです。 祝儀敷様 さようでございますか。実はこの詩はそれほどギミックを用いていないのでございます。強いていうなら世界観そのものがギミックになっていて、一種の未来SF、ディストピア小説のようなものを意識しているのですよね。なので、引用などは小手先のテクニックに過ぎない。SF詩を書こうとしている、というわけです。ありがとうございます。

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まりも
(2017-07-19)

トランプ政権とかナチスドイツの検閲、といった社会事象や歴史的事象を・・・挟み込んでいく、ことの意味が、今一つ・・・前回の「カラジウム」のイメージが、ここにも生きているのかな・・・ 〈記憶の中のムー大陸は〉〈一日に飲めるのは乳の滝の下で浴びる一杯〉を得られる場所。童心のまだ生きている場所、自身のルーツ、その根源にたどり着く旅、それがムー大陸を探し求める、ということなのかな、と思いつつ・・・その場所への耽溺が詩を生み出すのではなく、そこからの飛躍、俯瞰的視座の獲得、そこに、自分の詩が生まれるのだ、という、詩論的なイメージも重ねつつ読みました。 近未来SF、と呼ぶには、ノスタルジーの要素が強すぎるし・・・ディストピア小説と呼ぶには、破壊というのか、崩壊度が弱いようにも感じるし・・・不勉強ですみません、〈ボラーニョ〉がよくわからない。〈ポラーノ〉と掛けている?

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kaz.
(2017-07-19)

まりも様、お読みくださりありがとうございます。 ボラーニョはラテンアメリカ系の作家の一人で、『2666』といった小説を書いています。 私の仕事(詩人としての仕事)が、ボラーニョに匹敵するものだとは思いませんが、後世の評価によって、いずれそうなればとは思っています。

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