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明日のための幸福な懐古
青黒い雲、夕日に照らされて 鳥が飛んでいるよ ああ、チャイムだ帰らないと そして幸福な夢を なんて柔らかいほっぺた まだ涙のあとがないなんて 世界中が君のサーカス 泥まみれの君は黒し、されど麗し 遊戯王カードとサッカーボール ポーカーとセックス 放課後にブランコから飛んだ君の靴は 回転する魂の蝶々 光の朝、塩むすび頬張る柔らかい頬 そうだ、君の頬は柔らかかった 今夜僕は頬が硬すぎて眠れないよ 豆だらけの足が痛い どこかの君が幸福な夢をみているとき 僕は寒空の下をあるいている 電柱の畦道に蛙が鳴くのは幻聴だった あの灯りのなかに老人がいることを僕は知っている サンタクロースはもう僕のことなんか覚えちゃいない 僕だってお前のことなんか忘れたさ あの、登れなかった木の枝は切られてなくなってしまったよ ターザンロープもどこかへ行ってしまった もう何も考えられないんだコンビニの弁当だけぶら下げて こんなにみじめな気分でアパートの家賃は4万 何も覚えちゃいられないんだブランコの乗り方さえ 君の顔もわからないんだごめん 死に水がマドレーヌみたいに ブランコの乗り方を思い出させてくれるかなあ
明日のための幸福な懐古 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1847.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-03-05
コメント日時 2020-03-12
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
初めてコメントさせていただきますが、投稿された作品の中で今作が一番好ましく思いました。私の個人としての感度より「詩のスタイル」として好ましく。それは韻が良いのと、「君」をただの君とせず、ノスタルジックな「僕」にも思えてしまうレトリックがあるからです。私はどちらかと言えば技巧やら、上手さやらを第一義として詩を読める人間ではなく印象の方を優先して味わう人間です。しかしながら、本作を読んだ時、「詩のスタイル」を想起させました。それほど、この作品は詩的なのでしょう。読んでよかったです。
1ありがとうございます。ビーレビューでは詩の様式の方を誉めていただくことが多いのですが、書いているときに強く意識しているわけではなくて、音読して不快な音韻がないようにだけ気をつけています。 様式だけじゃなくて、内容の方をきちんと充実させていかないといけないなあと思う日々です。とはいえ「詩的」とのお言葉、ありがたく受け取らせていただきます。
0個人的にですが、涙のあとのないやわらかなほっぺでイメージする「君」が、低学年いっても中学年くらいの小学生なんですよね。 だから、 >遊戯王カードとサッカーボール はわかるんですけど >ポーカーとセックス は内容的になじんでいないように思います。 あと、みじめな「僕」と幸せな「君」という図式は、ちょっと安易かなとも思いました。 ノスタルジーとして見たとき、そんなに子ども時代って幸福一色かな?、今は不幸一色かな?、とも感じ、全体的にもっと掘り下げられると思いますよ。 考え方として、明日のために今日から目をそらす懐古ではなく、今日を幸福にするための懐古というのもあると思います。 言葉にけっこう感情がのっていて、それは長所にもなると思うんですけど、のせる感情によっては作品の足を引っ張ることになる諸刃の剣ですね。 僕は前作の「pugilist 」の方が好きですね。 「pugilist 」は闘いにむかってしまう人の業と、勝者の孤独のような味わいがあって、いいと思いました。 今回は、うまくいかない現状を嘆いてるように感じて、個人的に好みではなかったです。 もちろん、僕の好みと、作品の良し悪しは別なので、あまりお気になさらず。
1トビラさん pugilistまで読んでいただき、ありがとうございます。これまで、様式的で感情のみえない文章が多かったため、少し感情を乗せてみたつもりの作品でした。 ご指摘の点、時間をかけてしっかりと消化していこうと思います。ありがとうございました。
0めちゃくちゃ好きな作品ですが、一点だけ。 >サンタクロースはもう僕のことなんか覚えちゃいない これ以降、少しだけ中だるみ?と言うか、読んでいてちょっとだけ飽きるような心地がしました。 ただ申し訳ないのですが、この心地がした根拠が全く分かりません。自分に審美眼が無いせいで文句を垂れ流しているだけになってしまい申し訳ないですが、本当めちゃくちゃ好きです 前半の韻が良く、かつスっと情景や言葉が飲み込める。本当すごい。羨ましいです。こんな文章書きたい.......。
1恒常的に眠い人さん ありがとうございます。僕は自分の中では完璧だと思って出しているのですが、う~ん、やはり後半の評判がやや微妙ですね。 とても参考になりました。ありがとうございます。
0何だか作者自身が過去の自分を糸で操っているような哀しい作品ですね。 過去に想いを馳せながら、そんな子ども時代をテコに現在を肯定しようとしているような気もします。 とても儚くて強情で、でも私のことを言われているような、ドキっとしてしまうものでした。
0チャッピーさん ありがとうございます。まさしくそういった気持ちもあって書いたものでした。
0黒羽さん 最後の音の伸びは少しだけ子供っぽくしたつもりでしたが、確かに音としてはキチンと処理せずに出してしまった感があり、気になっていたところでした。コメントありがとうございました。
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