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作り方
① はじめに蛋白質の皮に水と脂を詰めておく ② 桜の花びらに別れの合図 もぎ取った若芽にまあたらしい感情 花火の端っこに蝉の抜け殻 破れたポイに夜店の残像 枯れかける藻に剥がれ落ちた鱗片 靴の裏の濡れ落葉にさよならの予感 鍋縁の乾いた白菜に飲みこめなかった言葉 育たなかった蛹に雪道に融ける流行歌とを 混ぜて入れる ③ 先ほど入れた春夏秋冬の上に 正しい暴論と間違った正論 夜に書いた手紙と朝に破った手紙 あなたへの憎しみとあなたへの愛 正反対のものを何種類か(※お好みで) ここで飲み込めなかった遺骨も投入 ④ 不可抗力の強さで欠乏してひらいた穴から するする流れゆく数多のものたちに敬礼をして 封をとじればできたわたし ⑤ 完成
作り方 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2011.4
お気に入り数: 3
投票数 : 0
ポイント数 : 66
作成日時 2020-02-26
コメント日時 2020-02-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 11 | 9 |
前衛性 | 8 | 8 |
可読性 | 9 | 9 |
エンタメ | 4 | 4 |
技巧 | 14 | 12 |
音韻 | 6 | 6 |
構成 | 14 | 14 |
総合ポイント | 66 | 62 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.8 | 3 |
前衛性 | 2 | 1.5 |
可読性 | 2.3 | 2.5 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 3.5 | 3.5 |
音韻 | 1.5 | 1.5 |
構成 | 3.5 | 4 |
総合 | 16.5 | 16.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
不遜な言い方になるけど、すごくうまい。普通に物書きの訓練が出来ている作者(ネット詩ではあまり見られない)だと思います。イメージをつくる選語も配置も鮮やかで精確。仕上げもきれいに決まってお見事、という感じなんですが、作者の高い技量の手の内にすべてが収まっている観があるのがちょっと不満。作者自身にもどうすることのできないような、自分を超えた何かに衝き動かされて書いている、そういうサムシングがないというんですかね。最終的に読み手を動かす力はそこから生まれると思うんですが。書ける作者さんだと思うので贅沢を言わせてもらいました。
0たまたまこの詩にサムシングだとかパッションだとか熱量が感じられないのだ、と思いたくなりました。 とてもとても悔しいです。 何かを創りだすことに技巧より大切なものがある、それは“魂”だと。 そう思いながらずっと書いています。 しかし正直にいうと(またとても個人的で恐縮なのですが)詩を書く時期ではない、小説を書くことに専念するのが自分自身の正解なのではないか、と感じるようになりました。 一歩進んだフェーズに行くタイミングなのではないかと最近ずっと考えています。 なので、石村様が仰るように“何か”が足らないのも頷けるのです。 腑に落ちる、といった感じです。 詩をつくるのではなくて(勝手に)出てきてしまうような詩ならば自分に意味があることなのかも。 コメントありがとうございました。 考えるきっかけを与えてくださり感謝いたします。 石村様がTwitterでお薦めしていたnoteの大海明日香 様の詩、とても良かったです。 (私もnoteで活動しています……笑)
1これは良い作品だと思います。 わたしの作り方ですが、材料にひしひしと感じる「わたし」の人生、人柄、それは平凡なものであっても、非凡であっても「わたし」の類まれなる歴史であるのだと思わされる構成です。 完成を別項にわけたのもニクいです。兎に角構成力、一つ一つの素材の選び方が秀逸に感じました。
こんにちは。 「わたしの作り方」「にんげんの作り方」にするか迷いました。 なるべく誰もが共有・共感できるであろう語句を選びました。誰しもが、積み重なったもの(誰しもが主人公である物語性)があることを表現したかったのだと思います。 「春夏秋冬」を被せることによって時間の経過を感じて「歴史」というワードに繋がったのであれば、これほど嬉しいことはありません。 丁寧に読み解いていただきまして、ありがとうございます。
0み、見えない もしかして透明の文字で書かれましたか?
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