風の音は空間の裂け目を示します
鳥は滑るように風に乗ります
旅の鳥は飛行の思考の中にあって自己主張をするでしょうか
はるか彼方へと目指していく心はいつ生まれたのでしょうか
私もその旅の仕方を倣いたいのです
背景を見ると青い色
宇宙のコップの中の白いクリームを浮かべた青を飲みます
それはみんなの目からこぼれて寄せ集まったものです
それは作られたものです
人の悲しみや心の動いた跡を分かりたいのです
見るだけでは十分ではないから飲んでみることは接近の方法です
どうしようもないほど痛む傷は
憎しみの幻影とその差を伸び比べするのです
直接の関係がないが無視できないものに惹かれるし分かりたいのです
失われた後での後悔はいつも誰にとっても
無視しないからこそ美しくなります
目の前の空間に分け隔てを作ってしまったことなどに
せめて後からではごまかすことをしないでいたいのです
私という入れ物の中にもそれらを流れ込ませるのです
分かった気分になると心もゆすぶられ
新しい空気が次々に生まれます
一つ一つの愛は失われても交代はしません
心の中において溶け合っています
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 2291.4
お気に入り数: 3
投票数 : 0
ポイント数 : 16
作成日時 2020-02-26
コメント日時 2020-03-06
#現代詩
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 4 | 4 |
総合ポイント | 16 | 16 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1.3 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.7 | 0 |
エンタメ | 0.3 | 0 |
技巧 | 1.7 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1.3 | 0 |
総合 | 5.3 | 4 |
閲覧指数:2291.4
2024/11/21 22時53分19秒現在
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「旅の鳥は飛行の思考の中にあって自己主張をするでしょうか」 とても心が揺さぶられます。 まさに私達は飛行中の旅の鳥であり、慎ましさを望まれているでしょうね。 「飲んでみることは接近の方法です」 何でもやってみる 私も、色んなチャレンジをしてみます。 自己主張を抑えて! 力になりました。
1僕の詩が、力になれたなら、嬉しいです。何かが可能になってくれるような、そんなことを考えて、 書きました。書いてくださったコメントを読んでいて、接近してどうしていくのか、などの ことを、考えられるな、と気づきました。先へ進むために、よく考えていきたいと思いました。
1そらの青 ひと飲みにして ひととなる (雛祭イベントで、五七五調でコメントしてます。) https://www.breview.org/forum_blog/archives/668
0雛祭りイベントのコメントありがとうございます。 青をひと飲みにしてひとになる、というと、おとぎ話みたいにも思えます。 そういう心を、気づかせていただきました。とても嬉しいです。
0>飲んでみることは接近の方法です この一行がなんともいいですね。 世界を知りたい、感じたい、と柔らかく抱擁しているような気分になりました。飲み物ひとつの観察から立ち上がってくる思考や詩情がひとつひとつの詩句から自分にも染み入る詩でした。外にあるものをみて自分のなかにあるものをみつめる。黒髪さんの真摯な詩への姿勢がこの詩には現れているように感じます。
0コメントをありがとうございます。 言葉(音声)もイメージも、考えから独立したものではなく、言葉と考え、イメージと考えとが、 関係し、絡み合って、一つの自分の思考になるのだと思っています。言葉を豊かにすることが、 自分の考え方と絡み合っているところに、無限の可能性が見えるのだと思います。そういうことを 考えながら、表現をしようとすることが、僕の現在の考え方です。姿勢を自覚することによって、 あらゆる関係が、良いほうへ向かうといいなと、詩作でも実生活でも、思っています。 外と中の関りや、観察で得られる詩情、知ることへの切望といったことが、帆場さんのコメントを 読んでいて、僕自身にも、よく納得し、自分自身の表れたものへ、跡をつけることができた、 と思われました。したがってそれは、僕自身が僕の中と外の両方にある矛盾を、解決する方向へ、 向かうことの、切実な願いを、嘘ではなく持てるようになることにおいて、僕が僕自身だ、と思えること、 詩が詩自体だ、と思えることへの、達成のための接近というような意味があるのではないかという風に 考えました。
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