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PICK UP - REVIEW

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きょこち(久遠恭子)

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お別れをした年の夏の終頃 ひとめぼれをして買った亜麻色のブラウスは 花弁を思わせる丸衿に翳りを落とすレース 上質なlinière 着ては丁寧に洗う毎 意識から逃れて憂いでは湿り気を帯びますます良い着心地となった それから幾度か季節も移ろって わたしの強ばった鎖骨その劣等感もろもろを隠すように うまくやわく わたしに沿いとげ続けた だのに跳ねたソースの染みを作ったのは 重ねた失敗 疲れた夜のせいだった 鉛のような身体を引き摺って虚ろな眼で 篭にそのまま投げ入れてベッドに潜り込んだ 諦めたら、そこで汚れた 諦めたら、それで汚れた 諦めたら、それは汚れた 諦めたから、 ただひとつの汚点か、 そうか、汚点か、信じればよかったか、


• ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 15
P V 数 : 2389.4
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 49

作成日時 2020-02-22
コメント日時 2020-02-29
#テキスト
項目全期間(2024/11/21現在)投稿後10日間
叙情性2424
前衛性11
可読性44
エンタメ44
技巧55
音韻66
構成55
総合ポイント4949
 平均値  中央値 
叙情性4.84
前衛性0.20
可読性0.80
 エンタメ0.80
技巧11
音韻1.21
構成11
総合9.87
閲覧指数:2389.4
2024/11/21 22時50分52秒現在
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    作品に書かれた推薦文

• コメントセクション

コメント数(15)
夢うつつ
(2020-02-22)

こんにちは。かなり小説っぽい詩のように思いました。文体はオシャレで、文全体を通して雰囲気は良いと思うのですが、その言葉は殆どが説明的で、雰囲気、外殻が詩の多くを占めてしまっているように見えてしまいました。特に、 >亜麻色のブラウスは >花弁を思わせる丸衿に翳りを落とすレース >上質なlinière ここ、あまりにも説明ではないでしょうか。この詩に登場する服において重要なのはおそらく「服がどのような見た目をしているか」ではなく、「主人公がどれほど服に愛情を寄せているか」や、「服がどれほど主人公と親和していたか」だと思うので、服の外見よりもそういった内容をもっと描写した方が良くなると思いました。 最後に、「linière」は「リネン」、「だのに」は「なのに」の方が読みやすいし突っ掛からなくて良いと思います。

0
夜野 群青
(2020-02-22)

夢うつつ 様 こんばんは。 文体がオシャレとは初めて指摘されたので驚いています。 小説っぽい詩というのは、当たっていると言いましょうか、物語性を重視した詩の書き方を目指しています。 説明的である事にも通じると思います。 視覚から作品を組み立てるので執拗いほどの描写を重ねます。 しかし、指摘のあったように占める割合のバランスは悪かったかもしれません。 この詩の最後六行の“動”を目立たせるように敢えて序盤を“静”的にしたのですが、効果はなかったようです。 「linière」は「リンネル」 品質の良いフレンチリネンをイメージできるようにフランス語にしたのですが、リンネルと表記する方が分かりやすかったと私も思います。 「だのに」は「なのに」のほうが確かにすっと戸惑いませんね。 指摘を頂いて初めて客観と自分の意図することのズレを感じられたと思います。 感謝いたします。 ありがとうございます。

0
ほば
(2020-02-23)

物語性を強調すると説明的になるかには疑問の余地があると感じました。ただ起承転結は意識されていて骨格は掴みやすく読みやすさがあるのが良いところでしょうか。 >ひとめぼれをして買った亜麻色のブラ>ウスは 一連目での描写だが例えば、亜麻色のブラウスに一目惚れした、ぐらいにすれば説明的なイメージは薄れるかな。買ったのは文脈で判断出来るし。他の描写は賛否ありそうだが素材やそれの姿形を描く事で読み手に印象づけるスタイルであるならば追求されたらいいと思います。あ、ちなみにふりがなが打てるのでリンネルと振れば良かったですね。 汚点、これはブラウスのシミだけでなく冒頭のお別れにもかかるのかな、と考えながら読みました。信じればよかったか、 というラストが印象的です。

1
夜野 群青
(2020-02-23)

帆場 蔵人 様 こんばんは。 物語性を強調すると説明的になる、のではなくただ単に説明的に強調して物語を構築するスタンスを私が選択しているというだけなのです。 でも詩でそれをやっちゃうのは違和感があるということは理解できました。 力量不足ですね。 ふりがなはそうですね、その方法もあるなと思いました。 帆場様の気づかれた通り、ブラウス自体をお別れした人と重ねていて、「信じればよかったか、」に繋がるのです。女性の後悔の物語を描きたかったのです。 ブラウスを信じる、なんて変なので、そこで読み手が気づくのではないか、と。 (帆場様が書き手の意図したように読み手には殆ど伝わらない、と何処かでおっしゃっていたのが印象的でした。とても後学のためになりました。ありがとうございます)

0
湯煙
作品へ
(2020-02-25)

はじめまして。 冒頭にありますお別れがどういった別れなのかという疑問が残りました。 もう一点は、鉛のようなといった喩えは少し安直な感じがしました。

0
夜野 群青
湯煙さんへ
(2020-02-27)

こんにちは。 (きちんとお話するのははじめてかもしれません。Barの話、読んだことがあります) お別れの部分を詳しく書いてしまうと「信じればよかったか、」に近づきすぎて、読み手の想像力の余地を奪ってしまうのではないか?と考え、あっさりにとどめました。 また、別れ方や誰であるかを特定してしまうことで、次節に影響はないとも思ったんです。 鉛のような……、これは湯煙様の仰る通りです。 奇を衒う必要はないがテンプレートのような表現は面白みに欠けますね。 推敲が甘かったと反省です。 コメントありがとうございました。

0
石村利勝
作品へ
(2020-02-27)

>そうか、汚点か、信じればよかったか、 この行が素晴らしい。 わからないけど、わかる前に瞬時に耳に残り、心に刻まれて響き続けるような余韻があります。とても”詩”ですね。

2
夜野 群青
石村利勝さんへ
(2020-02-27)

この最後のこの行を書くために、迂遠な穴掘り作業をしたつもりです。 伝わっていること、とても嬉しく思います。 コメントありがとうございました。

0
トビラ
作品へ
(2020-02-27)

冒頭の説明的というところですが、 >お別れをした年の夏の終頃 >ひとめぼれをして買った亜麻色のブラウスは >花弁を思わせる丸衿に翳りを落とすレース >上質なlinière 着ては丁寧に洗う毎 >意識から逃れて憂いでは湿り気を帯びますます良い着心地となった >それから幾度か季節も移ろって >わたしの強ばった鎖骨その劣等感もろもろを隠すように >うまくやわく わたしに沿いとげ続けた 例えば、 お別れをした年の夏の終頃 ひとめぼれをして買った亜麻色のブラウス 花弁を思わせる丸衿に翳りを落とすレース 上質なlinière 着ては丁寧に洗う毎 意識から逃れて憂いでは湿り気を帯びますます良い着心地 それから幾度か季節も移ろって わたしの強ばった鎖骨その劣等感もろもろを隠すよう うまくやわく わたしに沿いとげ続けた のような感じで、ちょっと削るだけでも説明的な印象が抜けるように思います。 あと、もしこの作品が男女の別れを想定したものでしたら、ブラウス=男性にはつながりにくいのかなとも思います。大体の男はブラウスを着ないですからね。 タイトルの「・」は、染みや汚点ということでしょうか。 後悔を描いたと書かれていますが、マイナスの感情でべたっとして終わるのではなく、それこそ上質な生地のようなさらっとした読後感で素敵ですね。

0
夜野 群青
トビラさんへ
(2020-02-27)

こんばんは。 コメントありがとうございます。 あ、一文字削っただけで印象が軽くなりますね。 こういった削り方は自分の中になかったので、とても勉強になります。 別れについては特に男×女(主人公)と特定しているわけではありません。 ブラウス=大切なモノ、或いは大切な事象の象徴としても機能するのではないかなと考えた結果です。 >タイトルの「・」は、染みや汚点ということでしょうか。 はい、そうです。 コメントに後悔を表現したかったと云いましたが、後悔よりも潔い「気づき」なのかもしれないですね。

0
ふじりゅう
作品へ
(2020-02-28)

夏の終わり→秋、という暮れ始める季節を活用した叙情詩として、好感が持てます。 染みという言葉を軸に、服と主人公の心情が徐々に変化していく様はかなり面白いです。 ひとつ気になったのは > 意識から逃れて憂いでは湿り気を帯び の部分、「て」の助詞は順接を表し、若干文脈にはあっていないのではと。普通に「意識から逃れ」でよかったのではと思います。

抒情:67% 前衛:0% 可読:0% エンタメ:0% 技巧:0% 音韻:17% 構成:17%  
0
夜野 群青
ふじりゅうさんへ
(2020-02-28)

今作では季節をあまり意識せず書いたのですが、喪失には夏の終わり~秋、が似合うと思っているのが出てしまってますね。 「て」は、ふじりゅう様のご指摘にあったように、ないほうが良かったと私も思います。 推敲時に何度も音読したのですが、気づくことが出来ませんでした。 もっと精進したいと思います。 コメントありがとうございます。

0
夜野 群青
夢うつつさんへ
(2020-02-29)

> この詩に登場する服において重要なのはおそらく「服がどのような見た目をしているか」ではなく、「主人公がどれほど服に愛情を寄せているか」や、「服がどれほど主人公と親和していたか」だと思うので、服の外見よりもそういった内容をもっと描写した方が良くなると思いました。 一度まとめたのに、また返信してすみません。 コメント頂いた方々とのやりとりの中で、圧倒的にこの部分が足りないな、と改めて気づきました。 ほんと推敲が甘かったです。 夢うつつさん、ご指摘ありがとうございました。 勉強になりました。

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藤 一紀
作品へ
(2020-02-29)

こんにちは。「リンネル」だったんですね! そのまま「リニエール」と読んでなんだろう?と思っていました。全体としてしっとりとした語り口が語り手の心情に合っているように感じました。シメもしっかり響いてよかったです。

0
夜野 群青
藤 一紀さんへ
(2020-02-29)

こんにちは。 読みにくい人が多いのならば、素直に「麻」と書いてもよかったかな、と今となれば思います。 コメントありがとうございました。

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