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おわりない死のながれ
全てが失われた夜から戻ってきて 今自分自身の影に向かい続けている 途切れてしまった夢というものを拾い集め それらを整理して棚の上に置いておこうと思う 私に子供ができたら ベビーシッターを雇ってください 正常なラジオはさっきからずっと 誰か知らない人の遺書を読み上げている 死にすら飽きが訪れた私は 最終的に受容を求めている 私に富ができたら すべて子供たちに平等に分配してください *おわりない川のながれ すべての水は 三途へとつながっているとしんじてながれている 滑稽 おわりないけいべつ 私を叱責するのは冬の長い長い影だけ 項垂れている夜には がらんと空いたこのうなじに 核爆弾でも落ちてこないかと思う 死を恐れる必要はない 私たちは永遠に続くその景色と引き換えに 美しい地獄を手に入れたのだ 転生するならば1945年がいい 私のような人間が死ねば死ぬほど その悲惨さは後世に伝えられ 私の子供たちも 平和的な活動に勤しむだろう *おわりない人のながれ すべての人間は その先にあるものを知らずにすすんでいる 滑稽 おわりないたそがれ 自死でしか表現できない生の哲学の蠢き 2045年は直ぐそこに来ている 2043年は直ぐそこに来ている 2042年は直ぐそこに来ている 2041年は直ぐそこに来ている 2040年は直ぐそこに来ている *おわりない時のながれ すべての時は そのなかで死にゆくものすべてを無視している 滑稽 おわりない影 死にゆくものすべてを無視している 滑稽 おわりない夜 死にゆくものすべてを無視している 滑稽 おわりない夢 死にゆくものすべてを無視している
おわりない死のながれ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1747.8
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 11
作成日時 2020-02-10
コメント日時 2020-02-22
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 4 | 2 |
総合ポイント | 11 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.3 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 2.8 | 2.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
フレーズが諦観のようなものを表現するのにとても効果的に反復されており、また漢字とひらがなの使い分けにも尋常でない美意識を感じつつ拝読させていただきました。
0あかさん 感想ありがとうございます。美意識、と言ってくださって嬉しいです
0ガムのくつべらさん 感想ありがとうございます。スタートからまるまる反戦争みたいなのはダセエなと思ってたので最初の二連を入れてみたのですが、作者の現実ですか……、寧ろ、最初は私の個人的な内省で、そこからイメージを膨らませようとしていたのですが、それが後半と噛み合えなかったのかもしれません。 >自死でしか表現できない生の哲学の蠢き ここは私もお気に入りの詩句ですので、嬉しいです。 最後はその通りですね。寧ろ、"自死でしか表現できない生の哲学の蠢き"で終わらせてよかったのかもしれません。ありがとうございました。
0推敲しました 全てが失われた夜から戻ってきて 今自分自身の影に向かい続けている 途切れてしまった夢というものを拾い集め 使えそうな物を整理して棚の上に戻そうと思う 街を歩いているとよく私の子供たちと出会すから 路地裏で飢えていく彼らの前で私は 体をていねいにていねいに切り落として すべての子供に平等に食べさせてあげようと思う *おわりない川のながれ すべての水は 三途へとつながっているとしんじてながれている 滑稽 おわりないけいべつ 私を叱責するのは冬の長い長い影だけ 項垂れている夜には がらんと空いたこのうなじに 核爆弾でも落ちてこないかと思う 死を恐れる必要はない 私たちは永遠に続くその景色と引き換えに 美しい地獄を手に入れたのだ 死ぬなら核で死にたい 私のような人間が死ねば死ぬほど その悲惨さは後世に伝えられ 私の子供たちもそれをひどく悲しみ 平和的な活動に勤しむのだろう *おわりない人のながれ すべての人間は その先にあるものを知らずにすすんでいる 滑稽 おわりないたそがれ 自死でしか表現できない生の哲学の蠢き
0ガムのくつべらさん ありがとうございます。がんばります ABさん ありがとうございます。哲学を単語を使わずに表現ですか……。確かに私も「哲学」というカテェー感じの言葉はあんまり好みではないので、少し考え直してみようと思います。
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