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けいじ
いきわたる管が 延命装置という名を冠して 消化する 眠る 「それでは、あなたが欠点だと思うことを教えてください」 「はい、わたしの欠点はお腹をよく壊すことです。デートなどというものに行くならば、何を食べればお腹を壊さないかを基準にしてメニューを選びます。ただ、家族や昔からの知人と食事をする際にはお腹を壊さないもので、誰と共に食事をするかによって変わります。つまり、緊張に弱いということなのかもしれません」 「わかりました、これで以上になります。結果につきましては、後日掲示板に受験番号が掲載されるので、ご確認ください」 「ありがとうございました、失礼いたします」 (ちがいます、消化するための、血が、足りないのです) けいじ 数字はなく ひとつの 名が はりだされた それは収監 「母が私にしてくれたことと言えば、このからだと、なまえと、そして、始発の電車に乗って手に入れた二桁の受験番号を与えてくれたことです。その受験番号は、掲示板にはられることはありませんでした」 (生まれた時から、音や色があったのは、血のせいで、管の中を泳ぎ、それを、みゃくみゃくと、ただ、みゃくみゃくと、運び続けることが けいじ ああ、血をつくるための、血が足らずに、音が消え、色が消え、眠る) 「大丈夫ですか、口から血が出ていますよ、救急車を呼びましょうか」 (そんなところに、血が、眠っていたのか) 「このからだには、母の血が、みゃくみゃくと、流れていて、名が、けいじ、されたのです」 (そうです、だつごく、したのです、母の、からだから、この、世界、へと、扉を、つきやぶった、その罪として、こまくが、よくやぶれる、このからだは、つみだらけ) 「メニエール病が落ち着いたから、二人目を産もうと思ったのよ」 「お前には、うまく逃げてほしいと思っている」 (つみだらけの、からだでは、はいせつ、しかできない、けれど、このからだは「ごほうびだった」のです)
けいじ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1293.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 9
作成日時 2020-01-31
コメント日時 2020-02-08
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 9 | 9 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.5 | 1.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 4.5 | 4.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
なんか過去の作品よりぐっと上達されているな、と感じました。僭越な言い方ですみません。。
0いまりさん 自分としては失敗というか、無理やり書き終えてしまった没作なので、どの辺が上達(そもそも何をもって上達と言えるのか)していると思われたのか気になるところですが、久々々々々々に投稿したものにそのように言っていただき、励みになりました、ありがとうございます。
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