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私は呼吸する。生きていくために。
私は呼吸をする。 水でもなく 土でもない ここで。 私は呼吸をする。 息をしている。 遺棄をしているように生きていて、そうしてちょっとだけ笑って あなたは行ってしまう もうすこし何か言葉を言って この物語を終わらせるに相応しいさよならを。 域。 城。 それは冷たく 詰まっている バタァのように ゆっくりと沈んで いちめーとるしほう 壁紙は、 白。 しろ。 お願いだから。 しろ。 私の願いをかなえて。 しろ。 指先は塩の味がした ポテトチップスの油が爪の間に染み入っている しろ。 そこにあるゴミをゴミ箱に入れてくれるだけで良いのだけど、 しろ。 フィロソフィ、冷たく大理石のように 私の唇をおおっている 石は呼吸するのだろうか 意思は息を吸うのだろうか やさしげな思惑に反して、論理は鋭く 破綻は矛盾で矛盾は間違いだと 花びらのなかに含まれている。 わたしの口のなかには、いき、があります。 いずれ呑み込んでで吐き出すものです。 私は呼吸をする。 私は呼吸をする。 水でもなく 土でもない ここで。 私は呼吸をする。 生きていくために。
私は呼吸する。生きていくために。 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1623.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 15
作成日時 2020-01-31
コメント日時 2020-02-13
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 4 | 4 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 15 | 15 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.7 | 1 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 1.3 | 0 |
技巧 | 1.7 | 2 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0.3 | 0 |
総合 | 5 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
感情のアンコントローラブルを犯し 不倫にいたる男と女は 飼い主の感情にけなげに寄りそう 猫畜生にもおとる 非人間だと そしられた 肉体や感情などの 難しいコントロールよりも ヨガのように まずは呼吸をとらえなおす 感情のブレーキを踏みこむまま 呼吸を意識しだすと 頭には言葉になる以前の 「文字」が並んで躍り出す はしゃぐ「もじ」たちをなだめすかし こまかい律動を観察すれば 律動は連鎖し 「言葉」の波になって 頭蓋の壁に寄せては返し 感情の舟が揺らぎだしてしまう。 水よ凪げ 心よ凪げ 私よ凪げ 私は呼吸だ 呼吸が私だ 生と死に意味はない 呼吸に意味がある 人間としての尊厳は 他者に寄りそうことができてこそ できぬ者は人間ではないと断じる 窒息させるがごとき この世情のもろ手をはらいのけ ゆっくりと息をつくように詠まれた詩 他者によりそうことの強迫に疲れた人間は 非人間となって呼吸することから生き直す 枯れかかった深い深い井戸から 共感や承認の「言葉」を 汲み上げる毎日 それはわずかに口を湿らすほどしかない しかし「もじ」は 空気の中に充溢している 「もじ」を胸にとりこむように 詩は「もじ派」のフォーム《形式的要素》を 見せつつあるような気がしています
0息、域。しろ、城。同音異義語のずれがそのまま楽器の違いからくるアンサンブル、交響楽の様な合奏の様に思えて好もしいと思いました。
0◼️鈴木夜道さま 前半の詩、楽しく詠みました。 引用、「水よ凪げ 心よ凪げ 私よ凪げ 私は呼吸だ 呼吸が私だ 生と死に意味はない 呼吸に意味がある」 ここ、詩から読み取っていただき嬉しかったです。 呼吸を意識した瞬間の、能動的に生きている感覚が、好きです。 ◼️エイクピアさま 言葉の語感はそれだけで音楽だと思います。 今回はまさしく音としての詩を重視したので、とても嬉しいです。
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