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受理された食卓で愛して、 ん、と、きみ。 切断された性器を測り いきものだったのでしょうか 無闇な、なめらかさのなかをゆく。 立体から世界へ伸びるすべてを 保つ神経を測れば 路線を正しく語る貨物列車の うしなわれた窓に反射するメタファー。
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作品データ
P V 数 : 1190.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 26
作成日時 2017-07-05
コメント日時 2017-09-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 0 |
前衛性 | 4 | 0 |
可読性 | 3 | 0 |
エンタメ | 2 | 0 |
技巧 | 4 | 0 |
音韻 | 3 | 0 |
構成 | 6 | 0 |
総合ポイント | 26 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 4 | 4 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 3 | 3 |
構成 | 6 | 6 |
総合 | 26 | 26 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
なみたまさん こんにちは。 四行目の「いきものだったのでしょうか」に句点、少なくとも読点が付されていないことが 極めて均衡を欠いた不穏さをもたらしていると思います。 その一点だけでも、素晴らしい「発見」の詩行だと感じました。 詩行は、「人間」という生きものが書いている以上、「生きものの記録」という側面をはらまざるを得ないと私は考えます。 同時に、書かれた詩行はテクストとしてのみ残存するという意味で、「いずれは朽ちるナマモノである」とも考えいます。 しかし、このようにネットの空間で生き延びるテクスト群は、「朽ちるナマモノ」である権利すら失われているのかもしれない。 そのような一般論を述べたい気持ちを正直、誘発されました。 しかし、上記の感想はこの詩行の強度にとても対抗できません。 まぎれもなく、新しく、同時に朽ちづらい一篇だと思います。
0受理された食卓、まずこの立ち上がりから驚かされます。命を養うところ。事務的に無機的に〈受理された〉という語感・・・音の響きがすんなりと❝受理❞されていくフレーズなのに、意味が曖昧なままに先に運ばれていく。 ん、という、どこか官能的な響き、きみ、という甘やかな言葉・・・に続いて、〈切断された性器を測り〉これもまた、事務的というのか、たんたんと処理されていく作業、のような・・・生々しさをまるで感じない不思議に驚きつつ・・・しばしば性の営みにおいて、自らの意志から離れた、小さな生き物、別の生物・・・のように感受される性器(女性、男性ともに)の不思議にも触れていくような・・・行為の際にはあんなにも生き生きとしていたのに、今はまるで死体のように横たわっている、そんな性器の不思議(精気の行方、といってもよいのかもしれません)に触れていくような気がしました。 そのように読み進めていくと、冒頭の食卓は、わたし、の肉体を、きみ、に捧げる、そんなある種の宗教的な供儀としての寝台にも思われてきます。 mの音でつながれていくフレーズ。立体(肉体?個体?)から世界へとのびていく感覚・・・ 〈路線を正しく語る貨物列車の/うしなわれた窓に反射するメタファー。〉kの音が印象に残りました。 貨物列車には、何が積まれていた、のか・・・記憶や想いを、異界に運ぶ列車なのか。窓から、その内部をうかがい知ることのできない、ブラックボックスのような貨物列車。 清冽な性の余韻を感じます。
0切断された性器はもはや用なしです。食卓できみに噛み千切られてしまったのでしょうか。 食卓は小さな世界のメタファー。そこから空間が拡がり、人を乗せることのない貨物列車が走る情景。もし貨物列車に窓があればそれこそ用なしです。その気づきが新鮮でした。 この作品が語る主題は「計測」なのでしょうか。それがおそらくタイトルにも表われているような。用なしになったものはその存在感を失い、ただ物質としてそこに存在します。物質として存在する以上は、形だけがそこにあります。その形を保つための神経をかろうじて持つという切迫感があるように思えました。
0この作品に対して、シューベルトの『未完成』を引き合いに出したいと思う。何か別の作品の途中で、書くのを一旦やめて書き置いたかのような即興性がここにはあり、そして最近フリースタイルダンジョンでラスボス般若を倒した晋平太がその楽曲CHECK YOUR MICで表現するように「即興に国境はない」。こういう詩行が越境していくように私は感じる。
0この詩文の評価に関することで、一言だけ。 この詩文の書き手は、コメント返しをしておらず、また掲示板の他の詩文へのコメントもされてはおりません。 しかし、そのことと七月の月間選評で言及されるかどうかがイレレヴァントであるなら、まったく月評にて言及されていなかったことに驚きました。 私は、七月にこの掲示板に投稿されたもののなかで、群を抜いていたと考えていたので。 ここに書くに相応しくない内容でしたら、申し訳ないです。 フォーラムにて、提起しても良かったとは思いますが、より多くの人の評価をうかがってみたく、ここでのコメントにてアゲさせてくださいませ。
0花緒さん こんばんは。 なるほど。事情がおありだったのですね。 その諸事情、可能な範囲でお聞かせ願いたく思います。 tetsuakifuzimoto@hotmail.com 上記宛にメールいただければ幸いです。 八月の選考等でお忙しいかと思います。 こちらはまったく急ぎではありませんので、お手隙の折りにメールにてお聞かせください。 よろしくお願いいたします。 なお、コメント付けと作品の評価の件に関してややミスリーディングな書き振りをいたしました。ひらにご容赦を。
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