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ある猫
道中にて 連れ帰った 足元をうろついていた にゃあにゃあと なくばかり あらわれる 家の軒先 金色に染まる毛が ふさふさと揺れる 撫でまわす 人々が膝へ抱きあげ まんまるな身をあやし 鼻頭に頬擦りをする またたびをちらす 嬉々として 歩きだす ゆったりと 喧騒をするり抜け 地にだらり横たわり ちらと眼をなげ あくびをする むにゃむにゃする 春 塀の上で陽をころがす 雲をかきむしり 眠りこむ 雨に耳をそばたてている 虹をちろちろなめている 夜 隣町のビルの谷間を ぢりぢり燃えおちている 道中にて 連れ帰った 足元をうろついていた にゃあにゃあと なくばかり
ある猫 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 916.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-07-03
コメント日時 2017-07-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
文体に独特の味わいがありますね。歩行のリズムというのか、軽く区切りながら進行するアンダンテの流れ。動詞を活かしたアクセントの付け方。 〈道中〉とは、何の、何処への道中、なのか・・・前半は、いかにもごく普通の野良ネコちゃん、を連れ帰って来たように見えるのですが、〈春〉〈夜〉の連の、宇宙的な大きさまで茫洋と広がった存在のような不穏さ。この猫ちゃんは、なにか「あやかし」のものまで、連れてきているのではなかろうか・・・この猫に、❝名前はまだない❞。以前、地球猫、という不思議な歌が「みんなの歌」で流れていましたが・・・宇宙猫、とでも呼びたいような存在感が気になります。
0湯煙さん、こんにちは。 私はどちらかと言うと猫派ですが、湯煙さんもそうでしょうか? 前半は可愛い猫感満載と言いますか、「にゃあにゃあ」「ふさふさ」「むにゃむにゃ」といった言葉も効果的だと思います。 春~、夜~の連は、雰囲気が変わり、日常を超えた詩的空間という感があります。 そして、最後は、またかわいい猫ちゃんに和んでいる居心地の良い詩だと思います。
0◆まりもさんありがとうございます。散文でしたが書き換えてみた次第です。道中は元は旅の途上で訪れたある国名を上げていたんですが。どこかあやかしのようなとらえどころのない混沌、なにかそうしたもののような存在についてになりますね。そういえば当初宇宙についても作品に書き込んでいたことを思い出しました。かなり前ですが。 そうですね、未生以前、名をもたないもの。漱石の作品は意識にはありませんでしたが、人の言葉でといいますか、猫語にゃんかでも一言挟めばまた面白いかもしれませんね。地球猫ですか、知りませんでした。光猫や闇猫ならば実在していましたが(笑。
0◆花緒さんありがとうございます。にゃんこもわんこもともに好きですね。わんこについての作品もそういえばありました。トリックスターとしての存在。そうですね、そんなところもありますね。もちろんここでは喩えですが。全体を引き締めている。なるほど。参考になります。 死に際を見せないと聞きます。そういうこともまた含みつつということになりますかね。
0◆宣井 龍人さん。こんにちは。飛んでしまいました。失礼しました。ありがとうございます。にゃんこもわんこも好きですが、にゃんこにはかなわないですかね(笑。 擬音語といいますか、それらとにゃんこの仕草や行動。人間界の反応と。そこからなにか世界との関係を見ることができないか、マクロ/ミクロ、風呂敷を広げてみた次第です。そうですか、日常と非日常。往還がなされていると。そうした事象にまたどんな意味があるのかはわからないですが。そのあたりについてもまた触れつつという、そのようなものとなりますかね。
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