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わたしたちの日々
ぼやけた身分証持って 誰もいない平日の公園歩く 彼女は斜め右の光を直視出来ずに 歎いてみせます ニセアカシアの木を見つめ 何かを語り出すのを待っています あるいは感動エピソードを求めてます 涙に飢えて創作しています 木漏れ日の中にも 鳥のさえずりにも 飛び立つハトにも 川の流れる音にも わたしたちには物語が必要になりました それはコンクリートの日々を眺める氷眼です 声は反響して遠くまで響いて戻ってきました 昼に鳴る電話にはまず出ません 日常が崩れて仕舞わぬように なにもない日々に こだます金属音は 孤独だから 孤独だって思うのでしょうか なんて つまらないことばかり 彼女は赤ん坊のお昼寝タイムに考えます よく謂う結末には遠くできこえる銃声 人生の機微も火の不始末も 転がるように駆け抜けてゆきます にわか雨が降り出せば 嬉々として佇む白痴のような 靄の中に浮かび上がったこの街は 笑いあって泣き明かして常時忙しく わたしたちは跳ねてみたって飛んだって 何処へ行こうが弥勒菩薩の掌の上 でもただそれだけのことで いつかは消えてなくなる昨日と後悔 ぽこぽこ湧き上がる明日とその感情が 世界をやるせない気分で やがて充たすでしょう そろそろ洗濯物を取り込まないといけないのですが そんな諸々の諸々が 彼女を釘付けにして 思考を停止させるのでした
わたしたちの日々 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1092.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 4
作成日時 2019-11-30
コメント日時 2019-12-01
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
最後の連、洗濯物を取り込まない行けない時制が、これまでの語り口を静寂に導き、詩の終りを着地させていると思いました。
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