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有罪無音
有罪無音のねむりを溺死に例えて 投げ込まれる毒に瞳孔を浸ける らんらんと潮干狩りのように傷をほじくる姿を 正気に退化して見つめるとき 台風の影響はむやみに飛び散り えんえんのつむじ風に巻き込まれている 傾げすぎで戻らなくなった首と ふやけた脳髄はマーキングを待ちわびる 20年分のカタルシスは 他人のくしゃみを受け止めたいお年頃 心臓の中心をまさぐって 牛乳寒天のような幻を刻印するひと あざけるのなら 空洞からぜんぶ引きずり出して 空っぽの上の空っぽを焼き付けてよ 白いねむりは頭上にくるっている 塵回収車からのうめきは 赤子ほどには響かない 彷徨のスクランブル交差点を渡りなさいと 誰もがほほえみ 芋虫になった瞼を押し上げたけれど ことばの氾濫する湖に脳髄を打ち付けたら 鈍麻がくすぶりながら染み込んでいった なんてにぶいこと うつうつと反響し沈みきってゆく空虚が 白く泡立つのをやめずに だらしないよだれのように 延びきって延びきって 待ちわびた首筋を絞めないかしら
有罪無音 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1740.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 4
作成日時 2019-11-18
コメント日時 2019-11-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.5 | 1.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
らんらん、えんえん、うつうつ、 これらの形容動詞は無くていいと思う。 意味が取れなくなるしバランス悪し。 >白いねむりは頭上にくるっている ここはとても好き。
0うーん いいなあ。一見、まとまりの無い比喩が装飾過多になっているようにも見えるんですけど、それでもなんとなく解釈ができるというのは、強いなあ。強いと思います。 有罪無音のねむり。私は、何もせず、ただぼうっと時間を無駄に浪費してゆくことのように感じました。もしくは、私が、私の中で、いつのまにか音も立てずに過去の私を失くしてしまったこと。有罪と捉えているのかなあと感じました。 そう解釈すると、なんだか比喩であちこちがまわりくどく装飾されているというのも、「らんらん」「えんえん」などの一見意味の無いアンバランスなことばも、それらを分かっていてわざとそうやっているように感じられます。すごいなぁ。強いなあ。
0表現力はずば抜けてると思います。ただ、読んだ後に残るものが薄いのかなとも思いました。もちろん、僕がちゃんと読めていないからなのかもしれませんが。 僕としては、何か嫌なことがあっての厭世感が描れたものと読みました。ただ、それが、どれほど人の胸を打つだろうかという疑問もあります。その卓越した表現力に負けないくらいの詩情がほしいですね。
0沈みきって、むしろどこかハイになって傷を繰り返している人を描きたかったので、目を輝かせているイメージで「爛々と」にしたのですが印象として固くなってしまったので平仮名にしました。延々、鬱々とそれぞれ意味を込めたのですが多様したことで悪い意味で目につくようになってしまったのだと思います。気をつけなくちゃですね。ありがとうございました!
0上のコメントに名前を入れるのを忘れていました。/舜舜さんへのお返事です。 沙一さん、コメントありがとうございます。人間の宿命としての官能から逃げ出したいのですが、フラッシュバックのように蘇ってしまいます。
0夢うつつさん、コメントありがとうございます。 装飾過多、おっしゃる通りだとはっとしました。自分のぐちゃぐちゃの気持ちが清潔感のある言葉ではどうにもこうにも上手く表現できなくて、むやみに飾り付けしてしまった・・・限られた空間だとしても本当の言葉を詰め込めるような人になりたいです。
0トビラさん、コメントありがとうございます。自己満足にすぎないからだれの心にも残らないのだと思います。詩情、意識してゆきます。誰かどうすれば銃弾のような詩が書けるか教えてくれという気分です。
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