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『さい』ある人の巻きタバコ
あなたと私にどれほどの『さい』があるというのでしょう? フィルターも無しで吸い込んだ煙はただ、ただ濃く、肺を痛めつける。 咳が否定するように咳こむけれど それでも吐息は綺麗に染まって世界へと飛び出していく。 指先で持ったそれはシッカリと紙を巻かれ、無駄なく静かに燃え上がっています。 あなたの創り上げたそれを苦しくとも私は味わいます。 ですが私が巻いた煙草はホロホロと崩れていくのです。 ただ誠実に想いを込め、丁寧に拵えたつもりでも、それはあくまで『つもり』でしかないことを残酷なまでに証明してしまう。 乾燥した小片の葉達は炎の残滓を含ませながらはらはらと逃れるように崩れてただ落ちていく。 それを掴もうと手を伸ばしますが、燃えカス達は風に崩れ落ち、空しく霧散していく。 あなたと私、その『さい』の違いは一体どこにあるのか? 問いかけは煙のように空しく。 そして気ぜわしく焦り、苛立つも、ただ風だけが吹き、空は青と黒を繰り返し、ただ一切は通り過ぎていくのです。 立ちすくみ、おっかなびっくりフラフラと彷徨う私を置いて。
『さい』ある人の巻きタバコ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1790.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-11-16
コメント日時 2019-12-15
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
俺も器具使わず巻けないから 何も使わず器用にやる人見ると、 なんが違うんやーろと思うことがある。 巻きタバコで、さい、の差を表現したところがまず興味深い。 >立ちすくみ、おっかなびっくりフラフラと彷徨う私を置いて この終わり方も、不恰好に巻かれているタバコのようで なんだかしんみりとした感じで好きだった。 そういうタバコはなんか火もつきずらいんだよなあ、と。
0煙草の詩は数あれど、手巻き煙草を着眼点にしているのは良いですね。 小さなところ、こんなのに才能とか関係ないやろって思いたくなるような場面に なんで差が出来るんだろうって考える事、確かにあります。 現に手巻き煙草はローラーで巻いてますしね。 良い所に目を向けた詩ですね。
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