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天使の内在
静的な、それはひどく静的な 純粋な、すなわち混じり気のない手触りで 息のように自然であり、懸命でもある 昨日の月明かりであった それは天使の内在で この星の 言葉にされない約束の 実存を眠り示している それはたとえば11月に吹く風が 寒さの中に ほんのわずかのぬくもりを 隠しているのと同じほどには明白であり 結局のところ答えはいつも 夜の暗さの中にある と、 告げているかのようであった 死んだ人は☆☆になる この星の 言葉にされない約束の その一つになっている
天使の内在 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1690.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2019-11-11
コメント日時 2019-11-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 7 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3.5 | 3.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
技術力がある印象ではあるのですが、どうも生かせていないとも思いました。 1連目:月明りの情報 2連目:月明りの補足 3連目:月明りの補足 4連目:星と死んだ人の関係 という構成と受け取れ、話が発展する様子が見受けられず、本作が一体なにを伝えたかったのか今一つ分からない印象です。 また、タイトルの「天使」も抽象的過ぎて、何度も登場する「月」との関連性も今一つ分からないのが正直なところです。 例えばこれでタイトルが「かぐや姫」とかでしたら想像の幅がめちゃくちゃ広がるのですが。。。若干テーマが広かったのではないかと思料するところです。
0好きです。 人間の祈り(約束、といってもいいのかも)の、とても柔らかな部分を、 繊細に紡いでいるように思える。 昼のあわただしさに流されて忘れそうになるけど、 ふとした静かな夜に 天使がささやくように、 思い出す亡くなった人たち。 星になるのであれば、と慰められるのは自分なんですよね。 美しくて切実で、でもあっさりと突き放している風もあって。 好きです。
0ふじりゅうさん コメントありがとうございます!大変勉強になります。 せっかくコメントいただいたところに反論するわけではないのですが、ふじりゅうさんの考察とご指摘はたぶん、天使という言葉の解釈の話に全て帰着するのだと思いました。その意味で、自らの技術不足を痛感するところです。 この詩は実は物理法則に対立する「人間法則」を書きたいと思って書いたものです。人間法則とは「人生ってそんなもんだよ」とでも言いたくなってしまうときに私たちが知覚している「あの」感覚が直感しているところであり、ちょっとニュアンスは違いますが、「悟り」とか「直感」とか「察し」とか、またシチュエーションによっては「赦し」みたいなものにさえなってしまう、そのようなものだと思ってください。それはたとえばもっと具体的にはことわざとして表現されていて、あれはあれで、二度ある事は三度あると言ったそばで三度目の正直が起きたりなど、事実上何も言っていないのかもしれませんが、でもなんとなく分かる気もするような、ことわざにはそんな不思議な説得力があるはずです。天使の内在とは、この人間法則を我々の知覚する主観的な経験の中に位置づけるのでなく、むしろその外側、世界のほうに備わった性質であると捉えなおして言うものです。僕はそれをこの世界の「約束」であると言いました。当然ながら夕焼けは人間を励ますために輝くわけではありませんので、この主張は科学的ではありませんが、それでも詩にはなると思いました。 こうしてみるとこの詩は実は一本道です。なにかすごい月を見て圧倒され、思索が始まり、とうとう彼が月の裏側に天使の影を見つけるところが第1連です。第2連はその説明になっています。第3連はさらに視点を変えつつ天使について説明しています。 「天使の内在」は論理の飛躍によってのみ到達できる主張でしたが、第4連ではもう一度思考を飛躍させています。はじめはたったひとつ月だけを特別視していたところを、ここでさらに全ての☆☆へと一般化しています。これはもちろん星を意識してはいるのですが、もはや「星」では正確な言い方にならないとしてこう書きました。夜空の星に留まらず、聖者を連想させるあらゆる星的なシンボルにまで天使の内在を確信したからです。 自画自賛が長くなってしまって大変恐縮です。ふじりゅうさんのコメントから、こうしたことがうまく表現できていなかったこと、それから、そうした意味の問題を捨ててしまって純粋に言葉の羅列と見たときに、それほど楽しい詩になっていないのだと分りました。また「かぐや姫」はこの詩にマッチした非常に素晴らしいタイトルだと思います。僕の書きたかったことからするとかぐや姫は選べないですが、多様な読みを可能にする工夫をもう少ししておくべきだったと気づかされました。それからこれはどうでもいいことですが、実は「月」は一度しか出ていません。11「月」を除けばですが。 最後にお願いがあります。ご指摘頂いた「発展性」に大変強い興味があり、もしよろしければ発展性のある詩の具体例をいくつか教えていただけないでしょうか。詩になにか動的なもの、ダイナミクスを与えるにはどうすればよいか、少し前から関心がありました。今回は主に論理を飛躍させることで動きを入れようとしてみたのですが、語の解釈に頼りきりなのがあまり良くなかったのだとわかりました。タイトルを調べるのは結構めんどくさいと思いますので、本当にもし良かったらで構いません。
0「月明かり」の説明が冗長で、それだけで中々読む気を無くしてしまいます。私的には、第三連は丸ごと変えるべきじゃないかなあと感じました。私だったらそこに、もっと詳しく物語を持つ具体例を入れています。例えば、 「 それは例えばそこに一人の少女が 11月の寒さの中に 燐寸のぬくもりを翳して 夢を見るのと同じほどには明白であり ひとつの御伽となって夜空に隠れ 私たちの上を漂っている と、 告げているかのようであった 」 いすきさんはわざと抽象的にして、あらゆるところで起きている天使の内在を示したかったのかもしれませんが、ある程度物語があった方が、そこから最終連へのまとめもうまく行ったのではないかと思います。今のままだと、最終連が独立していて、ああ、「☆☆」が書きたかったんだなあ。と感じてしまいました。(私が捻くれてるだけかもしれませんが) けれど、この作品が主題とするものは恐らく感じ取れましたし、共感する物があります。また、希薄な、それこそ月明かりのような文体は、美しいとまで思いました。
0おおっと、コメント書いてる間にいすきさんがさらに解説していた、すみません。いすきさんの解説よんでからもう一度コメントします!
0まず、第三連の、視点の切り替え。と言われていますが、 >寒さの中に >ほんのわずかのぬくもりを >隠しているのと同じほどには明白であり >結局のところ答えはいつも >夜の暗さの中にある これら全て、「月明かりの天使の内在」によって既に説明されていることなんです。ここを繰り返し、また「風」「夜の暗さ」という、割とありきたりな言葉で説明されても、飽きます。視点を変えるならば、もっと大胆に変えるべきだと感じました。 そして最終連ですが、思考の跳躍というのは、しっかりとした助走があり、踏み込みがあってこそ、上手に働くのだと思います。貴方の感じた思考の広がりを、詩を通して疑似体験させなければなりません。直感による思いつきを、読者も全く同じようにできると思ってはいけないと思います。よって、第三連あたりで、「死」をちりばめてみたり、星々の描写を入れたり、あるいはもっと長い詩にして、過去に大切な人を失った「私」の物語を加えるなど、そういった、ある種伏線のような工夫が必要かなと思いました。 最後、発展性のある詩なんて、探せばいくらでもあると思います。例えば、今ビーレビの人気の作品になっている、星空そとばさんの「雨は美しく燃えて」とか。雨という身近な物から、君、雨に打たれる人、流れ星、のら猫、雷鳴、生きているということ。視点の切り替えが激しく動きがダイナミックで、いすきさんのいう論理の跳躍が、上手に働いている例だと思います。
0わ、たくさんのコメントがついていて驚きました。楽子さん、夢うつつさん、コメントありがとうございます。 「不当な上げ行為」になってしまうと良くないので、僕からのコメントに対するコメントはできればあんまりしないでおこうかな思っています。が、どのようなコメントでも大変勉強になりますし、全部ちゃんと読みますので、何卒よろしくお願いします。 楽子さん ありがとうございます。大変励みになります。ちょっと読みにくく退屈な詩になってしまったようで焦っているのですが、次はもっと頑張ろと思いますので、よろしくお願いいたします。 夢うつつさん ありがとうございます。第3連に関しての実践的な書き換え、まさか夢うつつさんに添削してもらえるとは思ってもいませんでした。非常に嬉しいです。今後時間をかけて勉強させていただきます。 個別のことについて一つ一つお返事したいのですが、体力的にヤバイので、控えます。ですがいずれも納得感があり、かつ、将棋を上手い人に教えてもらうときのような、視界が開ける感じがしました。おおむね手抜いたところを指摘されているので、バレるものだなあと思いました。 といって少しだけ返信するのですが、☆☆はドヤ顔でやったというより、むしろあんまりやりたくなかったのですが、どーせこういうのが好きなんでしょ〜?って感じでやりました。文脈からいって軽率だったかもしれません。 また発展性について、実に多くの詩に発展性があることは存じ上げております。その列挙を申し込んだのではなくて、むしろここでは発展性という言葉がどのようなものを指しているのかという認識を共有することが主眼でした。ふじりゅうさんのいう発展性がより詳しくはどういうものなのかを知ることによって、自分に足りないものが何かをよりよく知ることができると考えたからです。
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