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アイスティーを注文して受け取ったら仕事をクビになった。あれからは煙草を吸う為だけに生きてきた。飯を喰うのも、音楽を聴くのも、仕事へ行くのも、天国を信じる為にも、兎に角煙草を吸って生活していた。喫煙所で知り合う奴の中には善人も悪人も直ぐ飛ぶ奴もレコードを保持していた社員も居る。どうだっていい噂は煙草の売女にはうってつけの浅い話題だ。俺達は深くは知ろうとしない。そいつの柵まで背負って生きたくはないからだ。角砂糖は溶けて行く。きっと約束の待ち合わせ時間までには全ての角砂糖が溶けているのだろう。そうなれば天国の民の真似が出来る。仏陀にはなれないけど涅槃に近い静かな夜を得る。人生七回分の初恋の燐光に照らされた気分。けれど君という夜は終わり君という朝が始まる。全てどうでもいい。俺は明後日の夜よくそう思った。十二月の冷えた6:00の板間。俺はそこにODで呼吸出来ずに死んでいくんだ。きっと発見される頃には煙草のように煤けているだろうね。でも仮にも死ぬ訳だから。どのくらい深いのかは興味深い。それこそ死んでもいいくらいに。まるで日曜日の木漏れ日。ヨチヨチ歩きのハットを被った英国人のアーティストはファンからのラブレターを読み上げ俺もこの世はよく出来ていると思った。同じ穴、同じように生まれて、同じようなストロー、同じように擦り減って、同じように頭から参る。これを君のことを好きだと考える動機にしようかと俺の中のステレオ兵はフレットを駆け上がる。ベビシャンのキリマンジャロみたいに。そして、これと同じことを考えた人間を85人は特定した。後は死に方だ。山の中なのか、自宅なのか、実家なのか、友人の食卓の上なのか、迷うのは今日モッズコートを来て外へ帰って日照りにスキニーパンツを燻す水。俺達はとどのつまり、マウスと同じ。自由なのは目だけ。どれだけ努力したとしても自由なのは目だけ。そして物事はよくひっくり返る。月とSFみたいに。でもそれも手を振る理由の一つなら九月に父親を亡くした歌を彼は唄う。チャーチオンサンデイに倣って粛々と皇帝のように俺は80年代の末に酷い貧乏の中で育った。俺には言い訳よりも多く劣等感が滲んでいた。錆びたブリキの缶詰めの色彩に追いつこうと思惟は肋骨にひびを入れる。負けながら勝つ方法を考えている。それなら永遠に手札を揃えなくて済む。俺は直ぐに諦める自分に自惚れているんだ。だから、何一つ完璧ではない。穴だらけの論理、矛盾だらけの主語転換、何だっていい。四月の散る桜より早く大人になると約束を守れなくなるって聞いたんだ。大人はバーテンの袖を引いたりはしない。ただ見つめて宝石を盗むんだ。彼等はだから俺にはいかれた集団だった。正しいのかどうかはニの次の次、最初に問われるのはただ彼の気分。それと憎しみとコスト。インサイドマンくらいに利益が望めて、正義感ぶっていて、ロマンチックで、知的な強盗なら何人でもやったのだろうね。一九六九年ひどい雨の日隣から聴こえてきたのはベルベッツ、サンダンス映画祭のレッドカーペットにあんなに憧れた夜はない。もうタランティーノがなんちゃらで、たけしはあぁで、デヴィッドリンチはヤバイとかそんか創価学会みたいな監視は中途採用の彼には耐えられるはずもなく彼は十代の終わりには一生働かなくてももう十分に食べていける金があったが海賊船を引き上げようとは考えなかった。海馬のニキビが膿むように飽いたのだ。ディストーションに、パーテーションに、繋がりに、抱擁に、兄弟に、土曜日に、金曜日に、水曜日に、同じアニメの同じシーン、違うのは翻訳だけ。僕らの違いは今夜そこにあるらしい。六時半のニュースは終わりドラえもんの時間。ニューヨークの警官はそれ程賢くないと知る。昨晩のように。これがそうなのかと首を傾げながら、でも俺達の時代だし、法にも触れてないし、いつか誰かやるだろうし、独りであっても、誰かと居ても、説明の難しい、やるか、ほっぽり出すかの火花。

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作品データ

コメント数　： 2
Ｐ　Ｖ　数　： 1498.7
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投票数　　　： 0
ポイント数　： 11

作成日時 2019-11-03
コメント日時 2019-11-16

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