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残暉
閉塞感に騙されたまま 押し出された思い草 煙草の燃え滓は自由を知ったのだろうか 灰の虫になって蠕動する体など 望まなかったろう 冷たい硝子に西陽が当たり乱反射している 美しい湖面で夏の虫を押し付けるように ぞんざいに寝かしつけられるとは 思いもしなかったろう きっと君の魂は裸にされた緑の体のなかにある 空へと送り出された一筋の糸に身をくねらせて 帰るべき灰色した曇天に揺籃に求めては 生き物のように死んでいくのだ 唇の後が濡れていた てらてらと残暉に燃えていた
残暉 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1364.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 40
作成日時 2019-11-01
コメント日時 2019-11-03
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 21 | 10 |
前衛性 | 3 | 3 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 6 | 5 |
音韻 | 1 | 0 |
構成 | 1 | 0 |
総合ポイント | 40 | 26 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 5.3 | 4 |
前衛性 | 0.8 | 0.5 |
可読性 | 1.3 | 0 |
エンタメ | 0.8 | 0.5 |
技巧 | 1.5 | 0.5 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0.3 | 0 |
総合 | 10 | 10 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
抒情性があり、前衛性があり、エンタメ性すら、仄かに感じられる。 >きっと君の魂は裸にされた緑の体のなかにある ここですね、グッときました。閉塞感が恐らくきっかけとなったのでしょう。煙草の滓が自分を表す象徴ではなくて、表現を阻害する社会を象徴しているのかもしれません。社会は自由だ。しかるに自分には柵(しがらみ)が追って来る。苦悩の果ての詩、そんな感じがしました。
0>美しい湖面で夏の虫を押し付けるように ここの描写がすごく鮮やかなんです。閉塞感、灰色、蠕動、煙草という荒廃した景色から、急に美しい湖面。そして夏の虫を押し付けるという、鮮やかな命の輝きがものすごく現れているように感じました。しかしそれすらも閉塞感に収束する。 静かに空気がちりちりと焼きついてるような、夕暮れのどうしようもない焦燥感、しかしそこから滲みだしてくる諦観のような感情を感じました。良い詩だと思います。
0うまくコメントできないのですが、レトリックが視覚的で効果的で、淡々とした語りがかっこいいです。僕はライトポエムを書くのですが、必ずナルシストな感じになってしまってださくなってしまう。本当に書きたいものはこういう質感なのですが、いろんな場所がうまくて、強い人が指す将棋の棋譜を並べるときのように、わからないまま、良い感じがするなあ、と思いました。駒をそこに打ち込むのはうまいなあ、という漠然とした感想しかでないみたいな、そんな感じでした。うmm・・・・・・ひとつ「生き物のように死んでいく」死んでいくのは生き物だけど限るのに、あえてそう言ってしまう、その一文が生死のダイナミクスを表現しているような感じがします。
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