温度 - B-REVIEW
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温度    

喉に大きな球体が詰まっていて こころが凍りついていくみたい 誰か、誰か、温度を頂戴 溶かして涙にしてください 背中に大きな球体を背負わされて からだが沈んでいくみたい 誰か、誰か、風を頂戴 せめて海辺に流れ着きたい 泣かない子ども いい子なんかじゃない なにも感じてない訳じゃない 溺れないように笑っているだけ そのうち自分で身を滅ぼすと 気づかないまま笑っているだけ ほんの少しの温度を頂戴 溶かして涙にしてください


温度 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 1409.0
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 6

作成日時 2019-10-05
コメント日時 2019-10-06
#テキスト
項目全期間(2025/04/03現在)投稿後10日間
叙情性21
前衛性10
可読性11
エンタメ00
技巧00
音韻22
構成00
総合ポイント64
 平均値  中央値 
叙情性0.71
前衛性0.30
可読性0.30
 エンタメ00
技巧00
音韻0.70
構成00
総合22
閲覧指数:1409.0
2025/04/03 04時47分45秒現在
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    作品に書かれた推薦文

温度 コメントセクション

コメント数(2)
いすき
(2019-10-05)

一回目の投稿が失敗してしまった?っぽいので再投稿します。あとあと連投になってたらお手数ですがお気づきになった方が通報してください。 以下コメスタート 第2連に注目しました。第一連の喉に「球体」をつまらせたような感覚、これはよくわかります。それと比べてみると、第2連の背中に「球体」を背負う感覚とは、ほぼ馴染みのないものだと思います。だけど、ここが読ませるための転換点だったのかな、と解釈することもできます。 よく逆立ちして「地球を支えてるー!」っていうギャグがあると思いますが、全くこれと同じで、実は球体を背負うとは地球に仰向けで寝そべることを意味しているんじゃないかな?と読むわけとです。背負わされる、なので、地球の全ての重みを引き受けるということです。そんなことある? って思うのですが、「人命は地球より重い」なーんて言ったりもするもので、彼にはその出来事が星の全ての質量に匹敵するほど重いことだったのだと思います。 と、すると第2連の直後の読みがちょっと難しくなるのですが、多少無理矢理かも知れませんが、「風」を「太陽風(または銀河風とでもいうべき宇宙線)」、「海辺」を「天の川の外れ(外縁部)」に対応することで、まだ読めています。もともと地球スケールのたとえだったので、当然その他の登場人物も宇宙のものたちということになります。その証拠というわけではありませんが、海に沈んだものは(おそらくですが)潮によって運ばれるのに、あえて「風」という言葉を使ったというのがこの読みを可能にする秘密のメッセージだったのでした。 「人命は地球より〜」とは普通自分の命の話でなく、誰か大切な他者に対して使う言葉でしょう。すると、この詩の裏側には誰か書き手以外の第三者が隠れていなければなりません。よって、この詩は一見すると書き手そのものの不幸と、それに対する書き手そのものの悲しみを描いているように見えますが、実際にはその「隠れた第三者」に寄せる悲しみと、それに伴う宇宙的な究極の孤独を描いたものだという風に思いました。第三連は、自分自身が「泣かない子供」であったゆえに、同じく「泣かない子供」であったその「隠れた第三者」に強く共感し、心動かされていたことを表現しています。 こうしてみると「温度を頂戴」はあまりにも切実です。宇宙は温もりを分かち合うのにあまりにも広大だからです。

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つつみ
(2019-10-06)

いすきさんコメントありがとうございます。この短い詩を、丁寧に読んでくださり、そして私のイメージとほとんど合っていたのでとても嬉しく思います。 >第2連の背中に「球体」を背負う感覚とは、ほぼ馴染みのないものだと思います。だけど、ここが読ませるための転換点だったのかな、と解釈することもできます。 >全くこれと同じで、実は球体を背負うとは地球に仰向けで寝そべることを意味しているんじゃないかな?と読むわけとです。背負わされる、なので、地球の全ての重みを引き受けるということです。 仰るとおりで、第1連からぐーっとカメラを後ろに引いた感覚で、地球の上に仰向けに寝ているイメージです。地球の引力に逆らえず、ズンっと地球にめり込んでいる感覚を、第1連と同じ「球体」を用いて表しています。 >海に沈んだものは(おそらくですが)潮によって運ばれるのに、あえて「風」という言葉を使ったというのがこの読みを可能にする秘密のメッセージだったのでした。 ここも仰る通りで、からだが沈み、海の底に沈んでしまいそうなのだが、沈んでしまわず何とか海辺にあがりたい、初めは「渦」とか「潮」を思いましたが、それらを起こすのは「風」が適当かなと。 >実際にはその「隠れた第三者」に寄せる悲しみと、それに伴う宇宙的な究極の孤独を描いたものだという風に思いました。 ここについては、完璧に第三者について触れないでおいたつもりだったのに、見つかってしまったなぁという感じですね(;´д`) 最初は、「海辺」ではなく「あなた」に流れ着きたいとしようか迷ったのですが、感傷的過ぎるし、違和感があったのでやめました。 >第三連は、自分自身が「泣かない子供」であったゆえに、同じく「泣かない子供」であったその「隠れた第三者」に強く共感し、心動かされていたことを表現しています。 ここも、そうですね。あまり詳しくは書きませんがそのとおりです。 >こうしてみると「温度を頂戴」はあまりにも切実です。宇宙は温もりを分かち合うのにあまりにも広大だからです。 「宇宙」という言葉を使えるほど、私は「宇宙」について詳しくないのですが、最近読んだ詩に、「宇宙」に例えた表現がいくつかあり、その構造を勉強してみたいなとは思いました。 「温度を頂戴」は、この詩の中で特に繰り返したかった、祈り、願いのようなものです。背中に接している部分だけでも、溶かしてほしいという感じです。 本当に丁寧に読んでくださりありがとうございました。

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