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チャイムを止めるな!(発表済み)
チャイムを止めるな! 『チャイムを止めるな!』(チャイムをとめるな!)は、2033年公開の日本映画。 時に恫喝と例えられるほど、執拗に受信料を催促していたかつての日本国営放送協会(2041年のテロをきっかけに解体。2042年に移転、2048年に民営化された)に勤める集金人、田中敦彦(後田潤)と、それをある理由で踏み倒す女性、矢島ハルカ(もちのもちこ)のドラマを描く。淡い青を多用した映像美と、時に不条理と狂気を感じさせるストーリーが、今なおカルト的な人気を誇る。 監督・脚本はタカノヤスヒロ。主演は後田潤。タカノの実体験が含まれているが、これにさらに現実味を持たせるため、モキュメンタリーの手法が使われている[1]。上映時間112分で、製作費は600万円。観客動員数はのべ50万人。(2054年3月現在)前作「NHKをぶっ壊す!」に比べてはるかに低予算だが、その割に非常に根強いファンを獲得したことが話題になった。 目次 1 作品概要 2 ストーリー 3 キャスト 4 スタッフ 5 評価 6 脚注 7 備考 作品概要 タカノヤスヒロ監督・脚本による「国営ヤクザ・シリーズ」のうちの2作目。「『マッドマックス2』の再来」[2]と呼ばれた前作とは打って変わって ・洋楽のオマージュ(主にレディオヘッドやライドからの影響)の多い映像 ・独特の淡い青みがかかったシーン(タカノ・ブルー) ・美しい挿入歌 が特徴である。矢島ハルカが劇中で放った台詞「あなたもぶっ壊したいの?NHKを。あたしもそう」は映画のキャッチコピーになり、次第に形態を変えて広く用いられるようになった。(ミーム化)「あなたも**したいの?××を。私もそう」は、2033年流行語大賞トップテンに選ばれた。 観客・評論家の双方から絶賛された前作「NHKをぶっ壊す!」では、非正規社員が集めた受信料を賭けて正社員らが社用車でレースを開催したり、受信アンテナを盾にして派手な銃撃戦を繰り広げるなど、アクションシーンが上映時間の9割を占めたが、この作品はそれとはあまりにも違う内容だった。そのため、試写会終了後には落胆した観客から「タカノー!だからあれほどぶっ壊せと言っただろうがー!」というヤジが飛んだ。これについてタカノは「どうせ実際にぶっ壊されるのだから問題ない」と言い返した[要出典]。この発言は、彼が2041年に起こしたテロ未遂事件(日本国営放送テロ未遂事件)に関係があるとされていたが、タカノ自身は後に「当時はまだ構想すら浮かんでいなかった。あれは突発的にやったもの」と否定している[3]。 劇場版の映像と挿入歌を一部差し替えたDVD版「チャイムを止めるな!」が2045年5月に発売された。追加されたメイキング映像では、スタッフとキャストが草野球の対決をしており、編集の杉谷が両利きであることがはじめて分かる。 2053年9月23日、NHK跡地にて公開20周年を記念したパーティーが行われた。ステージに登壇したタカノは、ポスト構造主義者であった哲学者ミシェル・フーコーの言葉を借りて 私はいわば爆破技師です。破壊することが好ましいとは考えていませんが、それでも私は通り抜けること、壁を倒せることは好ましいと思っています。みなさんもぶっ壊していきましょう。 とコメントした。 ストーリー 第一部 田中敦彦は冴えないコミュ障のサラリーマン。彼はかつて日本国営放送協会(通称N■K)のSE部門に入社したが、社風や社員と馴染めずに自主退職する。しかし転職に失敗し続け、流れ着いたのは奇しくもN■Kの下請けの会社だった。そこで彼は集金代行を務めているのだが、その会社はN■Kと似て、上にへつらい下にパワハラ、あくまで成績しか評価されず、おまけに人を金としてしか思わぬ冷酷非道な職場だった。彼はまたしてもうまく馴染めず、こんな会社はN■Kもろとも無くなればいいと常々感じていた。 そんなある日、矢島ハルカ(以下、矢島)が田中のアパートの同じ階に引っ越してきた。それを知った田中は、彼女もリストに加えようと企み、集金のついでに彼女が部屋に居る時間を見計らってチャイムを押す。彼は言葉巧みにインターホン越しでセールストークを進めていくが、彼女も口がうまいのか、一向に受信料を払おうとしない。そんな話の応酬は何週間か続くに見えた。矢島は朝や夕方は一向に返事をせず、かすかなうめき声だけが聞こえていた。 口論を始めて1ヶ月あたりすぎた頃。彼は、平日の昼間でも彼女が在宅していることに気が付く。話を聞いてみると、その理由は彼女が精神疾患により一般の仕事ができないからであった。 矢島ハルカは、父親が開業医の裕福な家に生まれたが、兄弟に比べて頭が良くないために、高校卒業までずっと虐待に近い扱いを受けていた。学費を治験や風俗で稼ぎつつ、大学をなんとか卒業し、出版社に就職したが、数年前から統合失調症を発症したために職を失い、障害者年金と生活保護にすがることになった。当然、障害者手帳によって、生活にかかわる出費は多少は減額・免除されたものの、受信料に関してだけは半額免除すらされなかった。通院費が高額なために生活は依然苦しい。とうとう民事で訴えるという通知がNHKから来た。それを苦に彼女はここへ引っ越したのだが、また集金人が来たこともあって、ひどく警戒していたのだ。 最近、矢島の貯金がじきに尽きることも気がかりなようであった。おまけに、症状は次第に重くなっていく。このまま快方に向かわなければ入院も視野に入れているという。そして、昼間だけは症状が落ち着くので、こうしてインターホン越しで話せるのだという。 搾取の実態を知った田中は憤慨するが、矢島はそれを「人の為に怒るのはバカのやること」と一蹴する。それでもNHKをぶっ壊したい気持ちは双方あるようだった。何かあった時のために、田中は自分の名刺を何枚か、ドアポストにねじこんで職場へ戻る。 熱情冷めやらぬ中、帰宅後に彼は退職を覚悟で、NHKと下請けを内部告発するための計画を練りはじめるのだった。 第二部 田中だけが残業していた日の深夜、彼は1枚の顧客リストを発見する。そこには会社が毎月の受信料を受け取っている顧客の個人情報が記されているが、その中には矢島をはじめとした、本来は全額免除されるはずの人が紛れ込んでいたのである。内部告発の証拠にと、彼はそれを大切に持ち帰るが、それは田中を退職させようと企む同僚の罠であった。 ここでカットが切り替わり、矢島が見ている夢が映される。ショッピングカートを乗り物にして、彼女は造花しか置かれていない売り場の道を進んでいく(このシーンで男性の「ラン、ラン」という叫び声が聞こえる。ファンの間ではRadiohead - Creepのオマージュという説が流れたが、これは後に制作側のミスと分かった[4])。いつしか矢島は売り場を抜け、青みがかった広い草原に出たが、その先は崖へと続いていた。降りようにも尻がハマって抜けず、ブレーキなどあろうはずがない。 崖に進む過程で、彼女の脳裏に走馬燈が流れる。空気のようにあしらわれてどこにも馴染めなかった小中学生時代、金にならぬ文芸に青春を空費した高校時代、高額な給料と引き換えに、かけがえのない誇りと精神を1日ずつ削った大学生時代。そして出版社に入社してすぐ統合失調症と診断された。今は障害者年金と在宅ワークで得たわずかな収入が、薬と通院費に消える日々。その後、田中の淡い全身像が3秒間フェード・インしてからフェード・アウトする(ここでRide - Vapour Trail《飛行機雲》が流れるが、これは田中の像の儚さを暗喩している[5])。 ──いよいよ海へ落ちそうになった時、背後から田中と思しき声がして、間一髪でハルカは夢から覚める。この悪夢をきっかけに、押しが強いと思ってうんざり彼も、自分と根本では似通っているのだという考えが芽生える。そして矢島は、田中の名刺を何枚かバラまき、また田中がチャイムを押してくれる日を心待ちにする。 こうして、徐々に矢島は田中に親近感を抱き始めるが、それは田中も同じであった。営業とはいえ、あんなに話し込んだのは矢島が初めてだったのである。田中は内部告発がすべて終わったら、すぐにでも彼女と話がしたいと考え、眠りにつく。 第三部 翌日、矢島の部屋のチャイムを再度押した田中は、様々なことを話し合う。自分が内部告発の準備を進めていること。失敗したらクビになるかもしれないこと。 同僚らの策略にはめられているのに気づかずに出社した彼は、顧客リストを横領した疑いをかけられる。計画がオジャンになる前に、会社が違法に受信料を徴収していることについて訴訟しようとするが、それを示す証拠のリストは良くできたまがい物であった。昔からお勉強ができただけで機転が利かない彼は、逆に会社側から横領の罪で訴えられる。示談は成立せず、田中は実刑判決(懲役2年)を食らう。 服役した後、田中は派遣で清掃員の仕事に就いた。集金よりも厳しいギリギリの日々を送る中で、彼は徐々に精神に不調をきたすようになる。そんなとき、一通の電話がかかる。ハルカの母からだった。なんでも 「ハルカがひたすらタナカさん、タナカさん、とうめいているから、昼間に訳を聞いてみると、NHKのタナカさんが親身になって話を聞いてくれたのだという。うるさくて仕方がないから、ぜひ一度、顔でもみてくれないか」 ということだった。交通費は全額支給することが条件だった。 彼が矢島の実家の精神病院へと赴くと、もう夕暮れだった。矢島の父に面会室に案内される。そこで対面したのは、NHKはおろか、国家そのものが転覆し、それによって自身が集団ストーカーに狙われていると信じて疑わない矢島の姿だった。何を尋ねても自身の妄想を話し続ける矢島をひどく哀れに思いながらも、いつしか自身も同じ末路をたどるという予感が芽生え、田中はひきつった愛想笑いを浮かべることしかできなかった。Radiohead - Last Flowersのイントロが流れはじめ、青みかがった背景に崖のカットが映り、エンディング。 キャスト 田中敦彦:後田潤 久保克也(会社の同僚):渡辺圭 甲斐康夫(会社の同僚):六角精児 会社の役員:山田ひろ、砂川典久、佐々木健、熊川斉昭 矢島ハルカ:もちのもちこ 矢島の母:イトー・度・センシティブ 矢島の父:山本耕史 スタッフ 監督・脚本:タカノヤスヒロ 音楽:才羽テイクスレコード 美術:後田潤 照明:山本博也 美術:シウマイ・ワークス(津田大介、立花孝志) 撮影:金本ひとり 編集:杉谷拳士、中田翔 評価 公開前の9月14日に実施された試写会では、あまりに方向を転換させたこともあり、前作のファンが離れることも予想された。しかし映画評論家の松本太陽が西方キネマズ[6]で「2010年代を最後に飽きられていた『エモ』を、新人にして鬼才のタカノが20年ぶりに再興させた」と激賞したのをきっかけに、twitterなどで評判が広がり、観客動員数は増加した。目立った受賞は無かったものの、コアなファンからは「青い怪作」として特異な評価を受けている。 脚注 [1]西方キネマズ(2033年10月号)p24. [2]西方キネマズ(2033年10月号)p22. [3]タカノヒロユキ獄中日記、p46. [4]撮影後の打ち上げで泥酔した後田の音声が誤って入ってしまったとされていたが、監督みずからの指示で、効果を狙ってわざと入れさせたという記述がある(タカノヒロユキ獄中日記、p50) [5] シューゲイザーの他にもvaporwaveを好むタカノは無理やりこのカットを入れた。しかしファンにはウケが悪く、DVD版では田中のカットは消え、曲もJames Brunt - You're Beautifulに変更された。 [6]西方キネマズ(2033年10月号)p24. 備考 公開された当日の9月23日から9月25日にかけて、N■K本社の社員ら合計2434人がTOHOシネマズ東新宿店での予約席を買い占める事態が起きた。これによって他の客は別の映画館へ行くことを余儀なくされたが、結局、観客動員数に与えた影響は微々たるものであった。この騒動にはN■K本社の会長の指示があったとされるが、どのような意図で買い占めさせたのかは定かではない。[要出典] また、日本国営放送協会が2041年の爆弾テロの予告を受けた際、計画の首謀者としてタカノが捜査線上に浮上した。任意の事情聴取で容疑を認めたため、タカノは2042年、威力業務妨害で逮捕・起訴された。 なお、この記事は架空のものであり、実際の人物、団体は関係ない。[編集済み]
チャイムを止めるな!(発表済み) ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1938.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2019-09-07
コメント日時 2019-09-10
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 3 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こういう架空の話を延々と語るみたいなのは基本的に大好物です。Wikipedia方式なのが結構凝っているな、と思いました。実際この体裁で書くの大変ですよね? 映画そのもののストーリーもなんだかよく分からない感じで、なんだろう、なんか作品全体が統合を失調している感じで、構造が入れ子になっているような感じがしたのがちょっと興味深かったです。この内容なら個人的には Android Paranoid 使って欲しかったです、笑。でもあえて Last Flowers なところがとても失調していると思いました。あと美術監督がすごいメンツですね・・・
0survofさん、コメントありがとうございます。 できるだけwikipediaを再現するために、あのサイト特有の文体と体裁にはかなりこだわりました。ビーレビにHTML編集の機能があればもっと正確に再現できましたが、今はまだこれが限界です。 ストーリーはあまり考えていません。結果的に入れ子(再帰?)構造になりました。 Android Paranoidが採用されればもっと青く失調していたかもしれませんが、それにしてもいい曲ですねこれ。True Love Waits(Band edition)を第2部に挿入しても良かったかもしれません。
0ユーモアに溢れた作品だと感じた。NHKのくだり、作品が本当にありそうと思わせる内容、要出典など、見所が多い作品だ。 特に私が注目したのは「流行語大賞トップテン」でのくだりであり、その言葉は本当によく考えられている。全体的にユーモアに溢れながらも、「なんかありそう」と思わせる絶妙なバランスである。 他方、ストーリーの部分は賛否分かれるのではないだろうかという思いもある。もちろんストーリー自体は中々面白いのだが、本作ではエンディングまでおおまかに記述されている。もしそれがこのような文体では必須であったとしても、敢えて作品の内容は冒頭だけに触れ、全容を書かない選択の方がテーマが魅力的に映ったような印象。「全容は実際に見ないと分からない」(しかし、作品自体は存在しない)というもどかしさを、テーマに与えてもいいと感じた。また、NHKのHの部分は、伏字となっている。その意図は無論あるのだろうが、折角脚注などで「リアリティ」を追求したのであれば、ここは伏せない方がそれを徹底できた気がしてならない。また、最後の「この記事は~」も、私としては載せない方が締めがきっちり決まるような気がした。とはいえ、優れた作品であることに間違いはない。
0ふじりゅうさん、コメントありがとうございます。 ぼくがこの映画のストーリーを最後まで説明したのは、あくまでこれが存在しない映画だと考えたからです。架空の映画でモキュメンタリー的手法を追求するからには、あたかもリアルタイムで映画を鑑賞したかのような臨場感を与えねばならないと考えたのです。 想像力を刺激するような作品ならともかく、これはあくまでwikipedia的な、事実のみを追求するタイプのクリエイティブ・ライティングです。この書き方で、結末をぼかすというやり方は、あまりに無責任だと思い、最後まで書ききることにしました。 そして、ふじりゅうさんのおっしゃる通り、NHKに伏字を加えるべきではなかったと思います。というのは、あまり書きすぎると、名誉棄損の疑いも生まれないわけではないと思ったのです。 しかし考えてみれば、個人・法人をネタにする芸術は、つねに法律とのチキンレースでもあったわけです。それに怖気づいていては表現などままならないことを、あなたのコメントで思い出しました。
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