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残暑
あんなにあたためたものすべて、 あめがさらっていってしまった。 膨らんだガムの中には僕のセンチメンタリズム、或いはルサンチマン。 お砂糖、スパイス、素敵なものいっぱい 全部合わせるとむっちゃ可愛い■■■■になるはずだったもの ピンク色の中で蕩けて、壊れて、終わる。 やさしいね 死にかけの蝉を蹴飛ばした僕に彼が言った どうやら木陰に逃がしたのだと思ったらしい すべての命を冒涜して夏が終わる 肺の中で湿気がしくしくと泣いていた
残暑 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1950.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 9
作成日時 2019-09-03
コメント日時 2019-09-10
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 9 | 9 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 0 |
総合 | 3 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
結末を、泣いていた、とされているところに残暑の情緒があってよい響きに感じられたのと、その伏線としてセンチメンタリズムが前段にあって、読んで引き込まれた感じがありました。技巧と構成に3点入れました。
0「死にかけの蝉を蹴飛ばした…」からラストにかけてが特に美しく、素晴らしいです。命を冒涜して終わる夏だなんて解釈は、かなりのインパクトがあると思います。良作でした。
0■みうら様 感想ありがとうございます。 センチメンタリズム(とルサンチマん)は最後の最後に書き加えた言葉です。 最後まで「説明が過剰か?」と悩んだので、その部分を誉めていただけると嬉しいです。 ■stereotypr2085様 感想ありがとうございます。 私の住む地域では8月末頃かなり涼しく、夏休みも終えてないのに秋のようでした。 まだ死なずともよさそうなセミの死体もあちこちに見つけ、怒りと悲しみと不完全燃焼から思い付きました。 しかしいまは普通に夏の気温なので、やはり夏はシツコイ。
0二か月続けてのご投稿ありがとうございます。 面白い作品です。命を冒涜するというのは主人公の語りなので、主人公はそれをはっきり認識していることがわかります。それが、黒で塗りつぶされた四角形の「なれなかったなにか」への思いを宿らせることに成功していると感じます。また、その四角形がぬりつぶされていることから、完全なる諦め、もしくはなりたかったものが実際問題不明のまま進んでしまったような、そんな想像もできます。 >肺の中で湿気がしくしくと泣いていた この締め方も好みです。作中のじめじめした感触を引き立たせることに成功していると感じます。
0■ふじりゅう様 感想ありがとうございます。 前々からロムってたんですが、思い切って投稿してみました。 大体全部読み解いていただいて有難い限りです。 夏が終わる頃の髪をひっつかまれた感じが好きです。
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