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ピルケース
いつものように 別れ際にキスをして 今日もその後の 言葉が見つからない。 きみにとらわれすぎて きみを失いたくなかった。 カラカラカラ… 力なく振るきみの ピルケースの中で薬が踊る。 「僕がきみの…」 その続きを言う勇気がなかった きみもぼんやりとした目で 僕を見ているようで 視点は合わない。 俺に言ってくれたらいいのに。 「あなたに私の…」 きみが望むなら僕も正直でありたい。 そんな受け身で臆病な俺を笑うように カラカラカラ… 哀しい音ばかりが響く。
ピルケース ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2301.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 41
作成日時 2019-09-01
コメント日時 2019-10-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 13 | 1 |
前衛性 | 3 | 0 |
可読性 | 3 | 0 |
エンタメ | 5 | 1 |
技巧 | 7 | 0 |
音韻 | 7 | 0 |
構成 | 3 | 0 |
総合ポイント | 41 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3.3 | 3.5 |
前衛性 | 0.8 | 0 |
可読性 | 0.8 | 0 |
エンタメ | 1.3 | 0.5 |
技巧 | 1.8 | 1 |
音韻 | 1.8 | 2 |
構成 | 0.8 | 0 |
総合 | 10.3 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
個人的に、ピルケースが刺さりました。作品に使われるアイテムは読者の個人的な事柄にヒットするとけっこう惹かれるものだと思います。
0このコメントを読んで、こちらの方こそ、心の奥を刺されたような心地よさを感じました。ピルケース=きみ、というイメージで書きました。「きみ」の心情をピルケースが描いているという感じです。でも、それを描いているのは「俺」の妄想で、彼女がそう思っているかは定かではないのです。
0これはいい作品です。詩において重要である「聴覚」を、むなしく響く音として非常に胸に刺さる表現で記述されています。また、対比が素晴らしいです。主人公の、相手に寄せる感情は決して喜ばしいものではない。に対して、彼女はそれを受け取っているのか受け取っていないのか定かではないが、妙にあっけらっかんとしているように読める。そんな相手と主人公との摩擦が面白く読めました。
0コメントありがとうございます。 何かの音って、その時の気持ちで捉え方が違うと思っています。主人公には哀しく、或いはむなしく響いた。彼女に対する焦りがそのような音として響いている。 彼女は本当に手持ち無沙汰で振っているのか、それとも、何か言いたい気持ちを押し殺しているのか。 主人公のはっきりとしない気持ちをからかっているのか、いろんなイメージで見てもらえると面白いかなと思います。
0ピルケースから鳴る音を二人は同じように聴いている。それなのに心のうちはわからない。わかりあえない。すでにありますがピルケースの音の演出がうまいと感じます。きみ、の心情をピルケースを通して描くことで感傷的になりすぎずに描けている。ひとつ、学べました。ありがとうございます。
0こんばんは。筋立てや気持ちの表し方はすっきり通って、読み手に伝わりやすくつくられていると思います。その分、「俺」の登場の唐突さに一旦作中の空気感が破られたように感じました。 しかし、 《きみが望むなら僕も正直でありたい。 そんな受け身で臆病な俺を笑うように》 とあるような、「きみ」に対しては「僕」、通常は「俺」という使い分け(=二重性)を表すために必要だったのではないかと考えます。仮に「僕」を少年的な部分、「俺」を大人の部分とわかりやすく分けた場合、「俺」は引き止める冷静さをもたなければならない役として、「僕」を走らせるわけにはいかない。「少年」のようにありたくても《臆病》を選ばないわけにはいかない、という二つの思いが同居していることになります。そうすると、ピルケースの哀しい音がなおさら哀しい響きをもってくるように感じられ、「俺」の登場は正解だったと思い直しました。
0帆場蔵人さんコメントありがとうございます。ピルケースの音の演出について、そのように感じていただき嬉しいです。感傷的になりすぎる詩は、後で自分で読んだ時、「わー恥ずかしいコレ(;´д`)」と後悔してしまうので、そうならないように、色々と推敲しました。そのことが伝わって嬉しく思います。ありがとうございます。
0藤 一紀さんコメントありがとうございます。「僕」と「俺」の使い分けにこんなに気づいていただけるとは、ビックリしました。社会生活において、男性がたまに、「私」「僕」「俺」を使い分けている風景をよく見かけるのですが、個人的にそれがとても面白いと感じていまして、男性が思わず、本音というか、心の声が出たときに「俺」と言ってしまっている、この体験を少し詩に入れたかったのです。 この二重性が、吉と出るか凶と出るか…とドキドキしながら投稿しました(笑)丁寧に読み取って頂きありがとうございます。
0アダルトな恋愛を感じましたが 臭みのある官能さはなく サラっとしていて読みやすさを覚えました。
0カオティクルConverge!!貴音さん、コメントありがとうございました。今気づき、レスが遅くなり申し訳ないです。 最初はかなりドロドロとしていたのですが、色々と削ったりして、サラサラ感覚にしました。 そのことが伝わりとても嬉しいです。
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