倉田君 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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倉田君    

ほどけそうな靴紐、私はいつもほどけてから結び直す。絶対にほどけるのが分かっているのに、ほどけてそれに転けてからでないと私は靴紐に手を伸ばさない。 少し知らんぷりして歩くと案の定ほどけた靴紐は私に絡みついて中々逃がしてくれないけれど足首に絡まる靴紐の感触が心地よかった。行く手を阻むものがあって上手く進めないこの状況が。 私が怠けるための理由が私であってはならない。その為には私ではない他の事象が理由でなければならなかったのだ。 私が今でも倉田君の彼女ではないのも、いい歳してセフレ止まりなのも、つい、倉田君を受け入れてしまうのだって、全部、全部倉田君のせいだ。私の足首に倉田君が巻きついて中々離れてくれないからである。 倉田君は私をくすぐったり、転けさせてみたりする。時には流血する事もある。前に私が結び直してやると倉田君は私の方を見なくなってしまった。私に触れなくなった。夜中に呼び出される事もなくなった。私はそれがとても嫌だった。私は何にも邪魔されず進む事がで出来るようになってしまったのだ。 私はズンズン進むけれど、いつかまた倉田君に呼ばる事があったら、私は全てを投げ出して彼の元へ全力疾走する。転んだって、頰に泥がついたって、流血したって、彼は汚れた頰を手で拭ってはくれないと思うけれど、そんな私を見て爆笑はしてくれると思う。それでいい。私を呼んで笑ってくれればいい。倉田君の感情が私に向かっているのだったらどんな形でも私は嬉しく心地よく感じてしまうと思う。


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作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 1411.0
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 2

作成日時 2019-08-10
コメント日時 2019-08-21
#テキスト #アドバイス募集
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性10
前衛性00
可読性00
エンタメ10
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント20
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性00
可読性00
 エンタメ11
技巧00
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:1411.0
2025/04/13 08時21分13秒現在
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