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遠日
遠い落日から潮騒はやってくる 輝きは砂時計から零れおちた 海硝子になれなかった貝殻たち 遺されたものは夜光貝という 幻のかそけき冷たさだ 或る日、海鳴りを聴いたことがある 流木を壮大な船とし あわい色の砂を踏みしめ 地平に指でふれた日のことだ 空の螺旋を耳にあてて聴く 遠のいてゆくというさみしさは もはや砂を浚ってゆく漣だ 小さく渦を巻く波間へと指を立て セピア色のさようならを再生させる 落日へ掲げた手の隙間から 届かないという遠さに目が眩む 測りがたいことばかりだ こんなにも眩いというのは
遠日 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1606.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 10
作成日時 2019-08-09
コメント日時 2019-08-10
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 5 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 10 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.7 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.7 | 1 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0.3 | 0 |
総合 | 3.3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
儚さと幻想的な空気を織り込んだ一連目から >流木を壮大な船とし >あわい色の砂を踏みしめ >地平に指でふれた日のことだ この二連目の流木を壮大な船と語る力強さと砂を踏む、触れる、という感覚に訴えてくる詩句の流れはなんとも流麗だと思いました。遠のいてゆくもの、届かないものへ想いを馳せるなか、それでも立つ人をみたように思いました。
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