ダリア - B-REVIEW
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ダリア    

北口の西口の三段目から 朝日が差して来て 壁伝いにずっと苺を擦って来た 「間もなく本当の朝が参ります」 地下道が人の息で満たされる 靴音は次第に一つに揃っていくだろう 階段を駆け上がると もう太陽は昼間の高さに 容赦なくこの透けた身体に 照りつける うつ伏せに選ぼう パズルのピースを拾うように つながりは? 来週再来週の先の先まで パステル貸し出しカード 噴水公園の真ん中にダリアが咲いているから 迷宮のはずみに 緩やかな空を吊るした 光の円柱に向かうだけの生命線を 生命線を書く赤絵の具に 透けていく 螺旋に返る 反り返る 内側へ埋没す 雨の向こう、水平線が走っていた____ 空になった景色に置かれて揺れている 水槽いっぱいのダリア


ダリア ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 1610.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 22

作成日時 2019-07-30
コメント日時 2019-08-04
#テキスト
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性55
前衛性55
可読性00
エンタメ55
技巧77
音韻00
構成00
総合ポイント2222
 平均値  中央値 
叙情性55
前衛性55
可読性00
 エンタメ55
技巧77
音韻00
構成00
総合2222
閲覧指数:1610.2
2025/04/10 06時23分50秒現在
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    作品に書かれた推薦文

ダリア コメントセクション

コメント数(2)
千才森 万葉
千才森 万葉
(2019-08-04)

 お邪魔に来ました。  詩を読むのが苦手なんですよ。  わたしの感想じゃ、本当になんの参考にもならないと思いますよ?  さて、ダリアです。  全体を通しての感想は、難しくてもったいない、って感じでした。  幽霊が成仏していく話のようにも、自殺者が輪廻に飲まれていく話のようにも、単純に夜明けを描写しているようにも読めました。でも、たぶん読めていないんでしょう。  壁伝いに苺を擦ってくる様子は、苺の軌跡さえも簡単に想像できるのに、凄く強くイメージが印象に残りますね。  人の息で満たされた地下道で、靴音が一つに揃っていく感覚は、静かに、それでもはっきりと生命力を感じさせてくれます。 >迷宮のはずみに >緩やかな空を吊るした >空になった景色に置かれて揺れている >水槽いっぱいのダリア  はっきりとは捉えられないのですけど、センスの良さを感じる表現でわたしは好きです。  こんな感じに好きな表現がいっぱいあるから、読み解ければ絶対に楽しめる詩なんだろうなと思う反面、全体を通してイメージを掴みきれないのは、非常に残念で辛いのですよ。正しくなくても、作品から自分なりの感情を得られれば救われるんですけどね。  何度読んでも読み取れない詩というのは、何度計算しても解に辿り着けない物理学の問題と向き合っているようで、読んでいて苦しくなるのです。  今回のダリアという作品だけでは作者さんの作風が掴みきれなかったので、過去の作品も読ませてもらいました。 『Gaden garden』『家族八景』『無題』なんかにみられる作風というか、作者さんの色というか、めっちゃ好きですね。心中や花なんかも好きでした。この辺りはわたしも読めるんですよ。ここまで一般的な感覚に寄ってもらえれば、きっとほとんどの人が読めるでしょうね。  こういう作品を書ける方なんだなと知れば、ダリアでももう少しこっちに寄ってくれたらなと思ってしまいます。そしたら読んで楽しめるのにと。 『Gaden garden』や『巣立ち』が素敵でした。  言葉には言霊という力があって。持論ですけども。楽しい・西瓜・跳ねる……単体の言葉であれば、老若男女誰が使っても同じ印象を与えられます。これは言葉が本来持っている言霊なんだと思っていますね。  その言霊を目的によって高めたり、ぼかしたり、研いだり隠したりする技術が文章かなーと。その文章達によって作品全体の味わいや面白さが作られるんだと思います。  作者のセンスは選び出す力。題材とする感情を選ぶ、言葉を選ぶ、文章表現を選ぶ。どれを選択すれば、自分の表現したいものを上手く表して伝えられるか。そうして組み上げられた作品の色が、作者の輪郭を作り上げるんでしょう。  まあ、わたしの個人的な見方ですけども。  わたしが読み取れて楽しめた過去の作品達は、高い技術力はもちろんですけど、センスの良さをビシビシと感じたんですよ。言霊をどう扱えば望む力を発揮できるのかを、しっかりと把握していなければ書けない文章・作品です。  静かに、深く、そして品が良い。一番気になった特徴は抵抗がないことですね。すーーーっと入ってくるんです。もっと多くの、詩とは関係の無い人達の目に触れていけば、今よりも更に評価されるんじゃないかなとも思いました。  詩の味わいであるどこか不思議な文章でありながら、飲み込みやすい。  文章を壊す手法を使うと読める人、読めない人が出てきますからねー。ダリアという作品は文章を壊してるわけでは無いですけども。文章同士の繋がりを断っているように感じます。  わざわざ読者を減らす手法を取り入れることが、自分の詩のためになるのかどうか。そんなリスクを冒さなければ表現できないテーマなのだろうか。  詩の専門家に向けて、専門的な手法を使い、専門家の好みに合うような詩を綴る。そして専門家の専門的な見地から評価を受ける。そんな道もあるのでしょうし、もちろん否定はしませんけども、専門家では無いわたしからするともったいないなーと。    なんだか、どんどん話がずれていく気がします。ちゃんと読み取れずにすいません。  ではではそれでは。

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紅茶猫
(2019-08-04)

千才森さんへ 返信ありがとうございます。私の拙い過去の作品までお読み下さりありがとうございました。 「ダリア」は自殺について書いた詩です。家族とか知り合いとかそういう方ではありませんが、何年か前に身近なところで起こってしまって、何というか接点も何も無いのに少しの間考え込んでしまいました。もちろん何一つ分からないことでした。おそらくご家族にも、もしかするとご本人様にも分からなかったことが、私に分かる筈もありませんが。 分からないことを、どう書くかというところで、拙いセンスとやらに頼って、ちょっと安直に書いてしまったかなと思います。 >幽霊が成仏していく話のようにも、自殺者が輪廻に飲まれていく話のようにも、単純に夜明けを描写しているようにも読めました。 この感想は嬉しいものでした。「成仏」この気持ちがなければ書かなかったものだったので。 私も普段は小説ばかり読んでいて、詩集はほとんど読みません。 小説はTV用語で言うと(?)尺が長いので、ごまかしがきかないところがありますね。 「難解さ」とは何だろう。簡単な「難解さ」にならないように、時々は立ち位置を確認する必要があることを痛感致しました。 しばらくSNSから遠ざかってみて、頭の中が大分整理されて来ました。 先ほど村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」を読み終わったところです。先の見えない混沌とした世界の中でハシは何を歌っていくのだろうと思います。 読みやすい村上春樹と違って、この本なかなか手強くて、本と格闘し続けてようやくそれが終わったという感じです。 本当に丁寧なご感想感謝致します。ありがとうございました。

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